都内最古の木造建築の銭湯「月の湯」が閉店へ/文京建築会ユースが5/3、5/5に見学会&入浴会

月の湯外観

東京都内で最も古いといわれる木造建築の銭湯「月の湯」(文京区目白台3-15-7)が、5月いっぱいで営業をやめることがこのほど明らかになり、銭湯の調査や再評価をしている文京建築会ユースのメンバーらが4月26日、建物の実測をした。5月3日、5日の午後、入浴券付きの見学会を計画している。建築会ユース代表の栗生はるかさんは「地域の貴重な資源なだけに、なんとか良いかたちで次世代につなげたい」と話す。

月の湯ペンキ絵

月の湯は昭和8年創業。建物は築80年以上で、都内では最も古い木造建築の銭湯だという。屋根は唐破風、玄関には木札の下駄箱、高い格天井に、壁には富士のペンキ絵と、昔ながらの要素がそろった「ザ・銭湯」だ。湯は井戸水を沸かしている。

月の湯番台

文京建築会ユースでは、銭湯の建築的価値だけでなく、地域のサロン的な役割を担ってきたことにも注目し、2012年秋から当時現存していた11の銭湯を記録。冊子にまとめたほか、「ご近所のぜいたく空間 銭湯展」を2回開き、銭湯の魅力を発掘して再評価してきた。しかし一昨年は千石の「おとめ湯」がなくなり、昨年は千駄木の「鶴の湯」が廃業、現在は9軒に減っている。月の湯はイベントなどにも使われてきただけに、関係者の間には大きな衝撃が走っている。

月の湯浴室

26日は営業前の時間帯に、製作中の銭湯ドキュメンタリー映画の取材陣も入り、文京建築会ユースのメンバーが建物の調査や実測をしたほか、見学も可能という報を聞いて急きょ駆け付けた人もいた。

月の湯入口

玄関を一歩入ればそこは昭和の世界。下駄箱も、番台も、広告も、柱時計も、レトロだ。普段は見られない、湯をわかしている窯場には湯気が立ち、木の香りが漂っていた。

5月3日、5日はこうした部屋を含め、建築や銭湯に関する解説付きの見学会と、入浴する時間も設ける予定だという。少しでも良いかたちで月の湯を次世代につなげるアイデアや協力者も募集中だ。5日はしょうぶ湯の日で、中学生以下は無料。詳細は文京建築会ユースのページで。(敬)

月の湯広告と格天井