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「子育て」掲げる不動産屋さんが図書館を開くって?/千石の文京子育て不動産がコミュニティースペース計画

高浜さん

「不動産屋だけバリバリやったら儲かりそうですが、おもしろくないので、コミュニティースペースもやります」――こんな看板がお店の前に。黄緑色のノボリには「子育て不動産」の文字。千石駅A4出口から45歩。2014年10月に開業した「文京子育て不動産」は、その名の通り、文京区で子育てを楽しみたい家族向けの不動産業に特化している。代表の高浜直樹さん(29)は「めざすはサザエさんに出てくる花沢不動産。まちのことを何でも知っていて、頼られる存在になりたい」と話す。7月から「絵本たちのとしょかん」を始め、秋ごろには店舗を改装してコミュニティースペースをつくる予定だ。

 

店入口

会社員を経て、父親の事業のネット販売部門を担っていたが、千石の父の事務所の一部を借り、初めての不動産業に参入。「保育園には入りにくいし、都会の子育ては窮屈。住宅の面から地域の子育て環境をよくしたかった」と高浜さん。業界の常識を知らず、ポカをしたこともあるが、最近は要領を得て、口コミとインターネットだけでゆるく営業している。

 

相模湖

(相模湖町の別宅。奥高尾の山々のふもとで、富士山が見える)

 

コンセプトがユニークだ。1番大事にしているのは、子育て。もうすぐ3歳になる娘との時間を何より大切にしている。自身の子育てライフが充実していれば、顧客にも子育てを楽しめるライフスタイルを提案できると考えるからだ。定休日も一風変わっており、毎月第3木曜日から4日間連続でお休み。相模原市の空き家を購入し、趣味の日曜大工でコツコツ改装中なので、定休日はたいてい、そこで家族と過ごす。

 営業車(娘も「営業車」に乗り込み、まちを走る)

 

「営業車」はカーゴバイク。ノボリをつけてまちを走るのでかなり目立ち、「選挙に出るらしい」といううわさが流れたことも。共働きなので娘は平日は保育園に通っているが、土日や、時には平日、娘が「出勤」してカーゴバイクに乗ることもある。事務所内には絵本やキッズハウスがあるので、娘の役職は「散らかし業務主任」だ。

 入口(事務所にはキッズハウスも)

 

不動産の仕事はパソコンが1台あればできる。小さなスペースで十分なため、いずれ事務所を改装してコミュニティースペースにしようと考えている。まずは、絵本スペースをつくり、「絵本たちのとしょかん」を7月中にも開く。荒川区に本部があるNPO法人「おもちゃの図書館全国連絡会」の協力を得て、おもちゃ図書館も併設。「不動産屋がまちをつくる、という原点に戻りたい」と高浜さん。「絵本たちのとしょかん」イベント第一弾として、13日午前10時から、絵本の読み聞かせ講座を開くという。(敬)


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