大家さん目線で不動産業界を変えたい/「みまもルーム」渡辺よしゆきさん

カフェかな、と思ったら……? 文京区西片の「みまもルーム」は、古いビルを改装した不動産屋さんだ。昨年12月にオープンした。若手アーティストが空き室をアートに改装するプロジェクトや、民泊取次サイト「Airbnb」を活用した不動産管理業を営む。代表の渡辺よしゆきさんは、「大家さん目線の不動産業をめざしている。全国150万人の大家さんを目覚めさせたい」と鼻息が荒い。

まちあるき

(右が渡辺さん、左は廣田さん)

渡辺さんはもともと足立区で小売業を営んでいたが、2010年、不動産投資の目的で東京近郊のおんぼろアパートを購入し、「赤鬼荘」と名付け、「大家さん」としての第一歩を踏み出した。ところが、改装にとりかかると、床下には水がたまっており、明らかな「欠陥物件」。その後も理不尽なことが次々発覚し、裁判に至った。「大家も勉強しなければ、不動産屋の言いなりになるしかない」と、2011年に「行動する大家さんの会」を結成。困っている大家さんがよほど多かったのか、たちまち、800人のコミュニティーになった。

地下室壁

購入時、8室中6室が空室だった赤鬼荘は、改装や情報拡散の努力が実り、8カ月で満室になった。2013年には、経緯をつづった「新米大家VSおんぼろアパート“赤鬼荘”~満室までの涙の240日」を出版。大家さんの目線で建物を生かしたいと考え、昨年会社を立ち上げた。部屋をアートな空間に仕上げ、若手アーティストと、空室で悩む大家さんをつなげる「アート×M3Rプロジェクト」も始め、今夏第1号の内覧会をやったばかりだ。

壁新聞

駅に近い事務所を探していたところ、たまたま見つけたのが東大前の古いビル。1棟購入し、改装した。廊下には米国で実際に発行されている新聞が壁紙代わりにはられている。「実は地下に秘密基地があるんですよ」という渡辺さんの案内で階段を降りると、木の空間が広がった。十数人しか入れないが、1000円で利用できる。「打ち合わせやミニセミナーに使われています」とみまもルーム取締役の廣田ゆうじさん。

地下室

文京区の情報を集めようとしていたところ、Facebookのグループ「文京区さいこう!」に出合った。オフ会ともいえる飲み会もあるので顔を出すうちに、「うちわをつくって配ろう」という話に。賛同企業を募ってつくったうちわには、「文京区さいこう!」の下に「BUNKYO-KU Here we go」の文字。はて? Here we go=さあいこう・・・さいこう。なるほど。これを考えたのは渡辺さんだ。「おやじギャグだけど。みんなで盛り上がるのがいい。生まれついてのイベント屋なので」。在勤者として、文京区を盛り上げていきたいという。