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「オヤジの居場所をめざしたけど……」おしゃれすぎるブックカフェHANON/店舗スペース貸しもやってます※2018年春閉店

ガラス張りの入り口、高い天井に木目調の落ち着いた雰囲気。壁には文芸書や雑誌がずら~り。文京区小石川1丁目に今年オープンした「Books & Cafe HANON(ハノン)」は本を読みながらゆったりくつろげる空間だ。店主の小久保佳也さんは1年前に会社を定年退職し、「サラリーマンと違うことをやりたい」と異業種に挑戦。客の集中する時間帯には汗をかきかき、ハンドドリップコーヒーを入れながら奮闘中だ。

昨年秋に60歳で定年を迎え、65歳まで雇用延長を選べたが、「新しいことを始めるなら早い方がいい」と考えた。もともと本が好きで、妻がコーヒー好きなので引っ張られるようにコーヒーの勉強もした。あるときブックカフェに入って、ゆっくり本を読みながらコーヒーを飲んだら、楽しかった。「よし。これをやろう」

自分を含め、定年になったら居場所がなくなる男性が多いはず。実際、図書館などに行くと、中年男性があふれている。「だから本好きで暇なオヤジの居場所づくりにと始めた」。妻にも「あなたの居場所を作らなきゃ」と言われていた。

ところがふたを開けると、客は女性が圧倒的に多いという。土日は夫と子どもを残して一人で隣のスーパーに買い物に行く女性もいるそうだ。自分の居場所にはなったものの、同年代の男性を引き寄せる効果はなかったようだ。自分の蔵書や、友人知人からもらった本を並べているが、それらの本を読む人は少なく、雑誌を読みにくる人が多い。また、本を持参して読む人も多いという。

定休日は週3日。月、火、水は営業していない。「サラリーマンで週休2日だったから、それ以上働きたくないと思った」。実のところ、定年後しばらく、後任が見つからなかったため、月、火、水と出勤せざるを得なかった。その延長線上で休んでいるという側面もある。営業時間は10時から18時半まで。「妻が夕飯までに帰って来いというから……」

それにしてもスペースを遊ばせておくのはもったいない。だから、店舗スペース貸しもしている。「読書会、勉強会、会議、教室、展示会などにどうぞ」。本当はフラワーアレンジメントとか、読書会とか主催したいと思っているが、「定年後にあまりあくせくしてもね」。気張らずマイペースでやっていくという。

お問い合わせはサイトから。(敬)


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