ツツジの見ごろは過ぎても、人はたくさん押し掛けてにぎわっている根津神社。イベント期間中は屋台も多く出て、参拝も並ばないとできない。観光地として、外国人も多くやってくる。
境内の掲示などによれば、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が1900年前に千駄木の地に創建したと伝えられている。江戸時代、五代将軍徳川綱吉は世継の家宣の産土神(うぶすながみ)として千駄木にあった社を現在地に移したという。
1706年に完成した権現造りの本殿、幣殿、拝殿、唐門、西門、透塀、楼門が現存し、国の重要文化財に指定されている。
境内にはたくさんの見どころがある。たとえば、千本鳥居。これをくぐっていくとどこに行きつくのかは、実際に行ってみてのお楽しみということで。縁結びのパワースポットとか言われているそうな。
徳川家宣の胎盤が納められているという塚もある。文豪の石、鴎外の石というのもある。近所に住んでいた夏目漱石や森鴎外ゆかりの神社でもあるのだ。作品中にも「根津権現」という名で登場する。石に座って文豪に思いをはせるのもよさそうだ。ツツジの時期が終わっても、境内は緑豊かで気が休まる。
かつて、2015年秋に路上観察家、林丈二さんとまち歩きをしたときに立ち寄った穴場(?)もある(記事はこちら)。6基の庚申塔。「見ざる、聞かざる、言わざる」の猿が見られる。
地元の人間なら、わざわざ混んでいる時に行かなくても、イベントがなさそうな時期にふらりと訪れてみてはどうだろう。(敬)