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【気まぐれ寺社探訪】護国寺で四季の移り変わりを楽しむ

文京区の中で、もっとも西側にある東京メトロ有楽町線「護国寺駅」。その護国寺駅を出て、すぐの場所に護国寺はある。

天和元年(1681)2月に、五代将軍徳川綱吉公の生母、桂昌院の願いを受け創建されたと伝えられている。境内には、国の重要文化財「本堂」「月光殿」をはじめ、数多くの国宝、文化財が残されており、近隣住民の憩いの場として愛されている。

実は護国寺、文京区の中でも、とくに四季を感じられる場所だということは、あまり知られていない。

春は桜

「不老門」は、仁王門から境内に入ると見えてくる。昭和13年(1938)に建てられたもので、京都の鞍馬寺の門を基本に設計されている。

不老門の階段下左右にある「手水舎」 は、一対二基で造られている。屋根の上に、見事な桜が咲いている。蓮の形をした手洗水盤は見どころのひとつ(実際に足を運んで見てください)。

初夏はつつじ

不老門の額面「不老」の文字は、徳川家達公の筆によるもの。桜の季節が過ぎると、つつじが色をつける。

夏の青空

「観音堂(本堂)」は護国寺創建とほぼ同時期に建てられたもの。震災・戦災などの災害に襲われながらも、奇跡的に当時の姿を残し続けている。周囲に大きな建物がないため、晴れた日は、空が大きく見える。

「護国寺大仏」 は、筑波権現(現・筑波山神社)の別当寺・護持院から移された。護国寺の四季を見つめている。

秋は紅葉

「太師堂」は、文京区の有形文化財で、元禄14年(1701)に旧薬師堂を再建したもの。木々に囲まれており、秋には紅葉が見られる。

「本坊」は周囲の建物とは対象的に、近代的な外観。近くには、「音羽富士」「民謡碑」など、興味深いものがある。

雪景色

「月光殿」は、観音堂と同じく、国の重要文化財に指定されている。昭和3年(1928)に、滋賀県大津市(近江)から移築された。桃山時代の書院様式を伝える貴重な建物である。

「多宝塔」は、昭和13年(1938)に建立されたもの。四方の屋根から相輪が掛けられている。

冒頭で述べたように、護国寺は文京区の西端に位置しているため、文京区の他の地域から訪れる人は少ない。しかし、東京メトロ有楽町線「護国寺駅」 をはじめ、都営バスやB~ぐるなどの駅も近い。

季節ごとに訪れて四季を感じてみてはいかがだろう。

(護国寺ナビ編集長・石井)


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