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ケムラン(美味しい禁煙飲食店)が、文京区の指定助成団体に決定!

「たばこの煙が苦手だから、外での食事は控えている……」

このように考える人が、増えている。

男性30.2%、女性8.2%。

これは2016年に国立がん研究センターの調査による成人の喫煙率だ。(引用:国立がん研究センターがん情報サービス

これと相反し、完全禁煙の店は思いの他少ない。そこで立ち上がったのが、屋内完全禁煙の美味しい飲食店情報をシェアするサイト「ケムラン」。サイトを開き、都道府県名、または食事のジャンルを入力すると、完全禁煙の飲食店を検索できる。

ケムラン公式サイト

このサイトを立ち上げたのは、大阪医科大学研究支援センター准教授の女性。誰もが受動喫煙の害にさらされることのない社会を目指し、ケムラン登録基準をクリアした店を紹介する。サイトの掲載基準は下記の4点だ。

(1)屋内全面禁煙。テラス席・外の喫煙スペースの喫煙の場合はOK。

(2)ランチの時間帯は喫煙不可だが、夜の時間帯は喫煙可能など、時間帯で区切る場合も不可。

(3)加熱式たばこ・電子たばこも不可。

(4)原則、飲食店側にサイト掲載の了承を得る

アイデアに賛同した医療関係の研究者や大学教員をはじめとした有志50名以上が自腹で食べ飲み歩きながら、登録基準をクリアする店を探している。

2018年3月に、文京区社会福協議会の「Bチャレ」(提案公募型協働事業)の助成団体として「ケムラン」が選ばれた。

Bチャレとは、文京区の課題解決や地域活性化を目指したチャレンジ(協働)を応援する制度。公共事業だけでは解決が難しいサービスを、「ケムラン」のように民間と協働することで、解決に取り組んでいる。

「インターネットで調べても、喫煙の可否は分かりにくいですよね。大手の情報サイトだと、禁煙と書かれているのに、実際に行くとそうでなかったり……。そもそも喫煙の項目がないこともあります」

このように話すのは、文京区社会福祉協議会 地域連携ステーション「フミコム」でコミュニティマイスターを務める田邊健史さん。

フミコムとは、文京区社会福祉協議会が区や地域住民などと連携して、新たなつながりを創出し、地域の活性化や地域課題の解決を図っていくための協働の拠点のこと。「フミ=文の京(みやこ)」「コム=community(地域)、communication(コミュニケーション)」、そして「踏み込む」の意味が込められている。

「ケムラン」は、どういう経緯で、Bチャレの助成団体に選ばれたのだろうか。

「コミュニケーションのツールとなることを期待しています。例えば、新しく文京区に引っ越ししてきた人が、美味しい飲食店を見つけたときに、喫煙の可否を聞くことから、店主と話すきっかけになればいいなと。初めてだとしてもケムランでの紹介・掲載許可の話をしながら、店主から文京区のことを知れるかも。するとこれまでの飲食店の見方も変わり、もっと文京区のことが好きになってもらえるといいですね。」

※ケムランは特派員制度を採用しており、登録したユーザーが情報を提供する

田邊さんは、「『ケムラン』では、単に禁煙の飲食店を載せているだけではありません。例えば、喫煙から禁煙に移行した店があれば、禁煙に至った経緯、禁煙にした後の変化等をインタビューしています。これから禁煙にしたいけど、売上が落ちるのが心配という店長・オーナーの参考になればと思います」と言う。

「最近では、区内で40年近く喫煙店として営業していた店が、禁煙になりました。東京都からの受動喫煙防止環境の勧奨の案内があったものの、禁煙にすることで常連客が離れることを気にしていたお店の方から話を伺ったのですが、禁煙に踏み切ってから、親子連れや禁煙だから、と来店する方など、客層と客単価が上がり、食べ残しも少なった、と聞きました。その店も、今はサイトで紹介されています」と田邊さん。

「Bチャレは、文京区の課題解決や地域活性化を目指したチャレンジ(協働)を応援する制度です。公共事業だけで解決が難しいサービスを、『ケムラン』のように民間の力を借りて解決に取り組んでいます」

2018年度は、ケムランを含めて助成団体に選ばれたのは、次の5つの団体。

●課題解決部門

・区立小中学校における区独自の主催者教育用補助冊子の作成(児童生徒用・指導用)/NPO法人YouthCreate

●地域活性化部門

・サンタクロースを通じた「はじめての社会参画」プログラム/NPO法人チャリティーサンタ

・みんなでつくるケムランガイドin文京区/ケムラン~完全禁煙飲食店を応援する会~

・中学生と専門家のコラボレーションによるまちの情報誌の制作活動/クリエイターチーム カラフル

・中学生を対象とした文武融合事業〜サッカーして!!勉強して!!!〜/一般社団法人CLUB LB&BRB(東京ユナイテッドFC)

Bチャレは、今回始まったばかりの新企画だ。来年度の募集は秋頃の予定。 来年度の募集は秋頃の予定。地域の問題解決、活性化に取り組む事業の提案をして欲しいという。詳細はサイト で。

 (石井)


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