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写真と、私たちの日々のこと⑧今月はPride Month。みんなで認め合うこと

先日、LGBTQ+の当事者の方からお話を聞く機会がありました。

今月6月はPride Month。例年、世界各地でLGBTQ+の権利について啓発を促すさまざまなイベントが開催される月です。(参考:QG「なぜ6月はプライド月間と呼ばれるのか?」)

東京では今年は4月末から5月のGWにかけてプライドウィークを実施していました。(東京レインボープライド

私にもLGBTQ+の友人がおり、学生時代に差別をされ深く傷ついた経験を聞いてきました。彼女(性自認は女性、身体の性は男性)と出会ったことでLGBTQ+の問題が自分にぐっと近づき、LGBTQ+の方々の問題をもっとしっかり考えたいと思ったのです。

2019年にポートランドを訪れた際の写真。 多くのお店にレインボーフラッグが掲げられていました

当事者の方は直接的な差別や攻撃に傷つけられてきた一方で、私たちが何気なく使ってきた「あっちの人」「『普通は』さあ…」「レズ/ゲイの人ってさ(小声で)…」、当事者の方々はこういった言葉の端々にとても傷ついているということを伺いました。

すべて、自分を基準にして相手を「普通じゃない」と見なしていることばだなと感じます。いまの政治家たちの発言も以ての外だけど、私たちも知らないうちに当事者の方々と自分を線引きし、カテゴライズしてきた事実があります。だってこういう表現や描写を、ドラマや日常でいくらでも見て、最近まで疑問も持っていなかったから。

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あとは悪気が無くても相手を傷つけていることばたち。マイクロアグレッション。(=別名「小さな(マイクロ)攻撃性(アグレッション)」。人と関わるとき、相手を差別したり、傷つけたりする意図はないのに、相手の心にちょっとした影をおとすような言動や行動をしてしまうことで、その言葉や行動には人種や文化背景、性別、障害、価値観など、自分と異なる人に対する無意識の偏見や無理解、差別心が含まれている)

例えば、こういった発言がマイクロアグレッションにあたるそう。

・LGBTQなの?見えない!意外!すごくまともに見える、といった発言

・「〇〇さんはブラジル人だから、サッカーとかやります?」「〇〇さんは韓国人だからキムチ常備してるんでしょ?(笑)」といった文化的ステレオタイプ

・西洋人からの、「君は日本人っぽくなくて大胆な考え方をしていいね!」といった発言

・日本に住んでいる外国人(に見える人)に「日本語上手ですね」「お箸使えるのすごい」等と褒める

・会議室に入ってきた男性スタッフと女性スタッフのうち、女性スタッフをアシスタントだと思って飲み物を注文する

(参考:ideas for good 「マイクロアグレッションとは・意味」)

これらはLGBTQ+の方々へ限った言葉ではもはやありませんが、無意識のうちに相手を攻撃する力をはらんでいて、お話を聞いた当事者の方いわく、「とても鋭くて傷つけられる」のだそうです。

LGBTQ+フレンドリーなサンフランシスコのカストロ地区

このことから思うのは、多様性を認め合っていく社会の中では、相手に対するイマジネーションや配慮がとても大事だということ。世の中全員のことを知っている訳では無いのだから、絶対に相手を傷つけないことはむずかしい。でも相手に心を寄せて一つ一つの言葉を選ぶこと、心配だったら確認すること、それができればいいんだと思います。そして、それだけ配慮してももし傷つけてしまったら・・・「一度謝ってそこから理解すればOK!」とのこと。人の痛みを知っている当事者の方々はとても明るく答えてくれました。

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そして本来、全ての性はグラデーション。SOGIという概念があります。(こちらのnoteがわかりやすいのでぜひ。「“SOGI”って何?誰もが持つ、性のグラデーションについて

」)

誰かにやさしくない社会は誰にもやさしく無い社会だと常に思っています。だから私は当事者じゃ無いけれど、ちょっとずつ声をあげたいし、みんなで考えたい、そう思っています。

 

千葉愛子|Aiko Chiba

1990年宮城県仙台市生まれ。​東京都文京区在住のフォトグラファー。

WEB:https://www.aikochiba.com

Instagram:@chaiko2328


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