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エメラルドグリーンの森の妖精に出合う/セミの羽化観察会、占春園、教育の森近辺で

ジーーーーーー。ミーンミンミンミンミー。
梅雨明けから、セミの大合唱があちこちから聞こえる。今の時期はニイニイゼミやアブラゼミ、ミンミンゼミがにぎやかに合唱している。

そんな7月の夏の夕暮れ時、セミの観察会が窪町東公園近辺で開かれた。

「セミの抜け殻だ!」「あ、あそこ、セミが出てきてる!」
豪雨があがった午後7時前、窪町東公園の占春園の柵がある辺りにやってきた親子十数組は、興奮して口々に声を出していた。

最初はセミの抜け殻を発見するだけで喜んでいたのが、「あ、セミの抜け殻の動いてるバージョン!」と子どもたち。

抜け殻ではなく、まさに穴から出てきて、羽化の場所を探して歩いている、抜け殻ならぬセミの幼虫があちこちで見られた。地面にいるので、踏んづけてしまいそうだ。

木の幹に、3匹の幼虫が懸命に張り付いて、上へ上へと移動していた。まるで競争しているかのよう。

セミの幼虫は地中で数年間、木の根の汁を吸って過ごすという。湿度のある夕方から夜にかけて、地面の穴から這い出して羽化の場所を探し、葉の裏や木の幹に落ち着くと、背中が割れてまずは上半身が出てくる。

ほんの少し注意して見てみると、道端の紫陽花の葉の裏で羽化が始まっているのを観察することができた。「わー、上半身が出てきてる!」。

あっちにもこっちにも、上半身を出して反り返っているセミたちが見られた。まるでフィギュアスケート金メダリストの荒川静香が演技したイナバウアーのよう。

まずは上半身のまだやわらかい手足を出して固まるのを待ち、そのあとしっかり葉や幹につかまって下半身を出す。しばらく縮こまった羽に体液にいきわたらせるために、抜け殻のわきでじっとしている。

その姿はエメラルドグリーンやブルーで、美しい。妖精とも言われるそうだ。

中にはロープにぶら下がって羽化を始めたセミもいた。不安定すぎて、これでは下に落ちてしまいそうだ。落ちるとアリの餌食になるかもしれないし、ふにゃふにゃなので動くこともできず、羽化に失敗するケースが多いそうだ。

一行は歓声を上げながら茗荷谷駅方面へと階段を上がっていく。その途中の道の脇でもう、あっちにもこっちにも、セミの幼虫がうごめき、木に登り、羽化の途中の様子がごく簡単にみられた。大人も子どもも大興奮だった。

自転車のタイヤに登って羽化したセミもいたようで、抜け殻だけが残っていた。羽化前の幼虫を家に連れ帰り、カーテンなどにとめて羽化の様子を観察した人もいた。「生命の神秘を感じます」と参加者。

今の時期はセミの羽化の最盛期。いつもセミがたくさん鳴いているような公園で、夕暮れ時から地面や木の幹や葉の裏を目を凝らして見ると、羽化の観察ができるかもしれない。ほんの少し視点を変えるだけで、命の神秘を見て感じることができそうだ。(敬)

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