「これがハチをおとなしくさせるための燻煙器で、これはハチをはらうハチブラシで。。。」。台東区下谷のメトロ設計の屋上で、鶯谷ハニーラボの養蜂のミニ見学会があり、ラボ長の薮原和雄さんがまずは器具用具の説明をしてくれた。名刺の肩書にはラボ長と共に「鶯谷の秘蜜開発ユニット長」とも書かれている。

「これがミツロウですね。ミツロウラップとか、ワックスとか、リップなどの化粧品にもなります」

鶯谷ハニーラボは、「養蜂活動を中心に、かかわるみんなの『やりたいこと』を試みて、実践するラボ(実験室)」だそうだ。企業などとコラボして「鶯谷の秘蜜」というハチミツを作ったり、小規模醸造所とのコラボでハチミツを副原料に使ったクラフトビールを作ったりしてきた。

メトロ設計の1階は「現代の公民館」をうたうシェアスペースSOOO dramatic!、2階にはシェアアトリエrebootがあり、ちょうど1階で開かれていたイベントでは、ハニーラボのハチミツを使い、埼玉県川口市のクラフトビール工房ぬとりで醸造した「あかはな はちみつ」や、「鶯谷ハニーコーラ」「鶯谷ハニーレモネード」などを売っていた。

この日はなかったが、しのばずブルワリーひつじあいすでは不定期に「〇〇ハニートラップ」シリーズのクラフトビールを作っているとのこと。

さらに、台東区内のしのばずホッププロジェクトにも参画しており、屋上でホップ栽培もおこなっている。養蜂とは別のスペースで鉢植えのホップがすくすく育っており、見学した日はミニ収穫体験もあった。この日摘み取ったホップはしのばずブルワリーひつじあいすに持ち込まれた。

ミツバチは温厚な性格のため、見ているだけでは刺されることはないそうだが、念のため見学者はネットで覆われた帽子のような面布や長袖の上着を着用した。ホップがある場所より一段上、はしごでしか上れない場所に、ミツバチの巣箱が並んでいた。セイヨウミツバチの活動範囲は約2、3㎞と言われているそうで、鶯谷周辺には上野公園や谷中霊園などの大きな公園があるため蜜源が確保しやすいそうだ。街路樹も サクラ類 や サルスベリやトチノキなど蜜源植物が数多く植栽されているという。

屋上からの眺めはビルやマンションが多く目に入るが、公園や霊園の緑もところどころに挟み込まれている感じだ。ミツバチたちは上野界隈の空を飛び回って花の蜜を集めてくる。

「こっちの箱は女王バチが弱いのか、蜂数も少ないので、小さな巣箱を使っています。この群れが一番旺盛ですね。あ、スズメバチが来た」。スズメバチはミツバチの巣を襲う天敵。1匹に知られて仲間を連れて来られては全滅することもあるため、要注意だという。春から秋はミツバチの活動が盛んで、採蜜も順調だが、群れを越冬させるのが難しいそうだ。「今年初めてまともに冬を越せたんです。採蜜の時期は楽しいけど、世話そのものは地味な作業が多いです」

鶯谷ハニーラボでは一緒に活動する研究員(有料会員)や、調査員(無料会員)を募集している。見学会も適宜実施している。詳細はサイトやInstagramで確認を。(敬)

