ビルの入り口にカフェメニューの看板。「PRICE￥500/h」「フリースペース（自由席）」「セミナールーム（会議室）」。あれ、カフェじゃない。文京区で起業を応援するコワーキングスペース「Studio Geeks（スタジオギークス）」。本郷３丁目、ビル４階のドアを開ければ広々としたカフェのような空間が広がる。
Geek（ギーク）とは、コンピューターやインターネットに深い知識を持つ人のこと。「文教の地、文京区をITのチカラでもっと元気に！」がコンセプトだ。文京区で起業したい人、すでに起業してがんばっている人、新しいサービスを始めたい人を応援する。2014年10月にオープンした。
（掘りごたつスペースもある）
運営しているのは、同じビル７階のGoogle技術者集団「トップゲート」。社長の加藤昌樹さんがこの地で起業し、技術者トレーニングのためのスペースを探していたところ、４階が空いていたことから改装。技術者同士がつながる場にすれば、新しいものが生まれるのではないかと考えたという。
（樋口さん）
「実際、会員同士でイベントをやったり、ビジネスにつながったり。単なる場所貸しではなく、新しい出会いの場になっています」と、運営責任者の樋口里紗さん。区内外の弁護士や税理士、行政書士など十数カ所と提携し、「文京起業プロジェクト」を本格化させている。起業したいがまず何をすればいいか、事業を大きくして人を雇いたい場合の保険や年金の相談など、まずは樋口さんがヒアリングして、適切な専門家につなげる。専門家同士の横のつながりをつくろうと、「がんばる起業家サポート部（通称がんサポ部）」も発足して定期的に会合も開いているという。
（会議室／セミナールーム）
会員はバリバリの技術者は３割ぐらいで、コンサルタントや教育系の事業をしている人など、さまざま。旅行したい人とふれあいたい人をつなぐビジネスや、アイデア出しを応援する事業など、ユニークなものも。スタジオギークスはイベント会場としても使えるため、会員が、各国大使館の人を集めて「旅サミット」を開いた例もある。生け花教室やヨガなどの習い事系や、「朝活」の利用もある。
（3Dプリンターも導入予定だという）
樋口さんは、「起業家の情報交換会もあり、マニアックなゲーム大会などもあります。新しい分野の人と出会える点で、運営会社にもよい効果が生まれています」と話す。会員登録・予約なしでも1時間500円から、会議室・セミナールームは1000円から利用可能。ライト会員は月9800円など。登記などで住所を利用することもできる。詳細はスタジオギークスのサイトで。（敬）
