新型コロナウィルス感染拡大をうけて、東京では黄金週間ならぬステイホーム週間が始まった。休校、休園、休止、中止、自粛、ダメダメの言葉があふれかえっているが、その中で暮らしていく私たちの日常を記録する必要性を感じ、まちウオッチシリーズを企画した。「できない」ことが多いけれど、前向きになれるようなまちかどの風景を探していきたい。まずは、「掲示(張り紙、看板)編」。
世界的な観光地となった谷中銀座には、かわいらしい「STAY HOME」の掲示が登場した。
昼間の人出は多いようにもみえるが、外国人の姿はなく、これでも10分の1に減っているとか。
古今亭志ん生師匠も登場して語りかけてくる。
シャッターの絵ともマッチ。なかなか粋だ。
所変わって、こちらは小石川のマンションのエレベーターの掲示。階段を使えば運動不足解消にもなるから一石二鳥かも。
遊具使用禁止は悲しい。子どもたちの遊びの場を減らしてしまっている。しかし遊具がなくても子どもたちは遊べるはず。子どもの「遊び力」を引き出したいものだ。
いま大変なのはスーパーなど小売業の店員さん、運輸・配送業だろうか。自粛、自粛で経済活動が低迷する中でも、運転手の人材は不足。緊急大募集中。
イートインも自粛。確かに食べるときはマスクもはずすし、つばも飛ぶ。おうちで食べよう、の後押しになるか。
スーパーやコンビニ、薬局やクリーニング店にも登場した透明なシート。せきやくしゃみで飛沫が飛散するのを防止するためのもの。飛散防止シートとは本来、ガラスが割れて飛散することを防止するシートだが、飛沫飛散防止、の飛沫を省略したと解釈しよう。感染による「悲惨」も防止してくれることを期待。
買い物の外出は許されるからと、家で暇をもてあました人が出かける先はスーパー。混みあって密集することを防止するため、ついに入場制限も。行列の間隔を開けるのが現在の常識。
マスクや体温計はずっと品薄状態で入手困難。入手の日時を明かすと行列ができるので、宣伝せず入荷次第ひっそり販売しているという話も。ちょくちょくのぞくしかなさそうだ。
しかし、一時店頭から消えたトイレットペーパーやティッシュペーパーは戻ってきた。点数制限はあるけれど。トイレットペーパーがなくなる騒動は古くは1970年代の石油ショック、最近では東日本大震災のとき。危機でなぜ人はトイレットペーパーを買いたくなるのだろう。歴史的には新しいもののはずだが。
例年、5月に柳町小学校の周りで開かれている文京青空ガレージセールは、中止ではなく延期。10月にはまた違うまちの景色が見られることを期待したい。
(敬)(稲葉洋子)
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