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OSAGARI絵本のよりみちにっき/何度も読んだ絵本の記憶

お店で絵本の検品をしていたら、懐かしい1冊と久々の再会。息子が今よりもっと小ちゃかったころ、お店の絵本棚から「これ(をどうしても持って帰りたい)!!」と自分で選んだものです。

『うみへいく ピン・ポン・バス』

竹下文子 作

鈴木まもる 絵

(偕成社)

あれは何歳くらいのことだっけ? とヒントを求めてOSAGARI絵本の古いFacebook投稿をたどっていくと、「ピン・ポン・バス」と一緒にお昼寝している息子の写真を発見。2016年5月31日、ということは、息子1歳8か月のころの写真です。添えられた文章によれば、当時息子は絶賛イヤイヤ期で、母はそのことを夢に見るほど参っていたんだね、ということがわかります。

……となんだか他人事のようですが、産後2年くらいまでは毎日が精一杯で、当時の記憶は断片的にしかないのです。家のリビングは散らかり放題、保育園で注文した大量の写真も「あとで整理する用」袋にたまったまま(こちらは現在進行形)。息子には、こんなズボラかあちゃんでごめんよと思っていましたが、OSAGARI絵本として細々と続けてきたFacebook投稿が、振り返れば個人的な育児(絵本)日記にもなっていたんだと、ちょっと救われた思いです。

そんなわけで、思い出いっぱいのこちらの絵本。当時は夜寝る前やお昼寝の前、遊びの中でと、何度読んだかわかりません。でも、こうして久々に中を開いてみると、結構内容を忘れています。読み進めるうちに、ああそうだねそうだったねと少しずつ記憶が蘇ってくるものの、やっぱり人って忘れるものなんだな。

そこで、ちょうど近くで別の作業をしていた夫(兼シャチョウ)にも、「ねえ、これ覚えてる?」と聞いてみました。すると……

「もちろん! 『おきゃくさんが おりて すこし かるくなって、しおかぜと きょうそうです』(P.31)なんて、もう本当に素晴らしいですよ! 絵本を開かなくても、目の前にあの海の絵がばーー――っと広がってね。それからですね、(以下省略)」と饒舌に語り始めるではありませんか。

いつもボソボソ眠そうな声で息子に読み聞かせをしている夫ですが、本人なりに楽しんでいたようです。よく覚えているねと言うと、「そりゃそうですよ。この本100回以上読まされましたからね! しかしこれは名作ですよ。シリーズの中でも私はとりわけこの本が好きです」とのこと。

子どもと過ごす絵本の時間は、こうして親の思い出アルバムにも、それぞれの形で記録れていくようです。

OSAGARI絵本・伊藤みずほ)

◆おまけ

~「ピン・ポン・バス」のその後~

3歳時に絵本屋さん体験をした際、「おすすめの1冊」として選んだのもこちら。小1になった今も、「ずっととっておきたい絵本」として、自分の本棚に大事そうに並べてあります。


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