大正12(1923)年の関東大震災からの復興小学校として昭和2(1927)年に建設された文京区本郷1丁目の旧元町小学校。コンクリート造で、隣に元町公園があり、歴史的価値が高かったが、平成10(1998)年に閉校、その活用法が模索されてきたが、2025年4月に、区と学校法人順天堂の協働で「元町ウェルネスパーク」として生まれ変わった。区立の認定こども園や育成室、地域交流室など公共施設のほか、コワーキングスペースやインターナショナルスクール、研究施設なども入っており、様々な機能を持つ。東館1階には5月7日、「by you 文京食堂」がオープンする。
コの字型で中央に運動場があった旧元町小の校舎は2021年に解体され、東館は一部の部材で保存再生されている。西館は新築されたが、かつてのコの字型は継承された。西館の1、2階は区立湯島幼稚園が移転して認定こども園元町幼稚園になった。
保存再生された東館は、医療的ケア児支援ルームや病児・病後児ルーム、元町育成室など公共施設が多く入っている。かつての趣が感じられる。
階段は旧元町小の意匠を可能な限り再現。人造石の手すりは旧元町小で使われていたものを保存した。
東館3階には歴史展示室があり、旧元町小の歴史を知ることができる。腰壁や床は旧元町小の部材を一部利用、机と椅子は当時をイメージして製作され、当時の教室を復元したという。昭和の空気が流れる。
映像コーナーでは元町小のあゆみや、卒業生の思い出などが見られる。
建築部材なども展示されている。模型やジオラマもあり、往時をしのぶことができる。
元町公園に面している南の部分は、民営のコワーキングスペース「もとまちWORK&NAP」だ。2階のドロップイン利用は15分250円、月額フリー利用が2万5千円。3階は個室で、公園の緑が見える部屋など素敵だなと思うけれど、2人部屋は月11万2千円+共益費だという。
西館は認定こども園と多目的室以外は、順天堂関連の施設が多い。医療関係の起業支援もするようだが、打ち合わせやセミナーを行うことができる、というオープンスペースはカフェのよう。
区民も入れる講演会なども企画されるようだ。
隣の元町公園は整備中。重機が入って工事をやっているが、樹木は再び移植などで戻ってくるのだろうかと気になった。この公園も震災復興公園として、歴史的価値が高いものだから(過去記事参照)。(敬)