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クラフトビールめぐり/ビールとアート、DJイベントも。多様性と挑戦がテーマ、CRAFT BEER-T

「多様性と挑戦をテーマに、ジャンルレスのことをやっています」。いろんな人の生き方やあり方を認め合って挑戦できる世にしたい。そんな思いが根底にある、と話す比沙乃(ひさの)さんは、池袋にクラフトビールとアートの店「CRAFT BEER-T(クラフトビアート=CBT)」を2025年1月にオープンした。

池袋駅西口からほど近いビルの2階。入ると壁一面に絵が飾られてギャラリーのよう。窓にはカラフルなペインティングがされており、天井には青や緑の小さな光の粒が回っている。

「昨日はDJイベントがありまして」。店の一角にはDJコーナーがあり、DJ練習ができる、というのも売りらしい。

比沙乃さんは大学卒業後、広告会社で2年半、テレビCMやミュージックビデオの営業制作の仕事をしていた。人の心を動かすことをやりたいと入社、映像制作に奮闘し経験を積む中で、CMは見ている人の顔が見えない、自分はもっと直接的に、オフラインで人の心を動かすことがしたいと思い、退社し独立。1人でイベント事業を始めた。十数人の飲み会からのスタートだったが、町田市の屋外で企画した「ビアボンバーフェス」では延べ5千人を集めた。子どもがバブルの泡で楽しく遊べる場を中心につくり、周囲にはビールをはじめ様々な店や音楽などの演者を集めた。自ら町を歩いて声をかけ、バラバラなジャンルのものを選んだ。「あえて統一しない。雑多がいい」という。

「大人になると、やりたいことがあっても、今さら遅い、などと言われがち。そんなの周りが決めることじゃない。世の中もっと面白くなる、ということを、イベントを通して伝えたい」。統一的でない店が並んで、あ、これでいいんだ、やってみてもいいんだ、と思える人もいるはず。「イベントって、演者が主役と思われがちだけど、出店者も来場者もすべての人がかかわって一つのものができる。みんなが主役」。ほかにも、着物店とコラボして10代から70代までが着物を着て踊る着物ディスコを企画するなど、多様性と挑戦をテーマにしてきた。

ただ、イベントは終わるとなくなってしまう。拠点をつくりたい、と思っていたところ、今の場所に出会った。もともとビールが大好きなので、クラフトビールとアートをコンセプトにした。「どちらも個性豊かでいろんな種類があって、『正解』がない。自分が選んで、これが好き、好きなものは好き、と胸を張れる世の中にしていきたい、そんな想いがあった」

「40人のクリエイターと一緒にお店をつくるプロジェクト」を掲げ、店づくりをした。やりたいことを形にできない人、一歩踏み出せない人はたくさんいる。店という空間を用意して、中身をつくってもらった。アート部、飲食部、イベント部、スタッフ班など6つの部署をつくって取り組んだ。

ビールグラスには客やクリエイターによる絵が描かれていて、かわいい。机や椅子も自由に動かせてレイアウトも柔軟にできる。日中はコワーキングとしても使い始めた。駆け出しのアーティストやクリエイターなど、「縁を紡ぎに来る人が多いですね」

「イベントをやると、いろんな人に会える。ここでこんなことやってみてもいいですか?と新しいことが始まったり、つながった人同士でアートなことを企画したり」。学校や会社の行き来だけでなく、第三の居場所、サードプレイスで生まれるサイドストーリーを増やしたいという。「池袋ではクラフトビールとアートをテーマとしたサードプレイスを作りましたが、その空間、その町にあったサードプレイスを今後も増やしていきたい。たとえば、他の場所ではまちの保健室みたいな助け合えるサードプレイスにするとか、いろいろな可能性を考えています」(敬)

CRAFT BEER-T(豊島区池袋2-22-2 バイリンクビル池袋 2F)

営業時間:18:00 – 23:30 不定休。詳細はInstagramで確認を。

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