シルバーウィークの秋晴れの日。久々にスーツを着て神田明神へお宮参りに行きました。
息子にとって初めての長時間の外出。妻が選んだ黒の掛け着をまとい、ぐずることなく写真撮影と祈禱を終えました。でも、帰宅するとおむつはぐっしょり。緊張と我慢を強いてしまったようです。
その日に義母は帰りました。家事の負担がぐっと増え、恥ずかしながら部屋の掃除にまで手が回っていません……。
育休に入って1カ月。慣れない育児と家事に追われ、「まだ1カ月か~」と子育ての道のりの長さを実感しているところです。
そして、出生直後から育休を取って正解だったなあ、と思います。
なぜか。
まず、妻が帝王切開での出産だったこと。術後のおなかの痛みは立ち上がるのもつらいほどで、にもかかわらず術後5日での退院だったため、育児の面で義母だけでなく夫のサポートも欠かせない状況でした。
それから、普通分娩であれ帝王切開であれ、出産前後は妻が一番大変な時期であること。その時期に体験を共有できたことは、これから家庭生活を送っていく上での土台を築けたような感じがします。逆に、出産直後の育児を母親だけで行うとしたら、これは本当に大変なことだと思いました。
そして、新生児の時期を、息子と同じ生活リズムで過ごせたこと。声、表情、脚力、反応。温かくやわらかい体を抱きながら、日々の成長をつぶさに感じることができました。
ただ、私たち夫婦は新米パパ、ママであり、育児に関しては分からないことだらけです。息子のちょっとした変化が気になり、妻はそのたびにスマホで検索し、ネガティブ情報を仕入れて二人で不安になりました。そこで非常に心強かったのが、地域の助産師さんや保健師さんの存在です。
文京区に出生通知票を出すと、助産師さんから電話がかかってきました。子どもが生まれた家庭を訪問しているそうです。さっそく生後17日で来てもらうことにしました。
ミルクを吐く、寝るときの頭の向きがいつも同じ、便が水っぽい……。気になることをリスト化し、助産師さんにぶつけると、2時間以上にわたり丁寧に答えてくれました。息子の体重増加のペースが平均を大幅に上回っていることが分かり、ミルクを減らし、母乳中心に切り替えることにしました。
その後、私たちをいちばん悩ませたのが、おむつ替えや沐浴の際の息子の「ギャン泣き」です。まるでこの世の終わりのように、顔を真っ赤にして息が止まるんじゃないかというくらいわめくのです。3人の子育てをした義母も心配そうに眺めます。
区役所の保健サービスセンターに行き、保健師さんに相談しました。すると、「便がおなかにあるときに泣くことがあります」「ギャン泣きしても、泣きやむんだったら問題ありませんよ」。そうなんだ。少し気持ちが楽になりました。
(助産師さんの指導を受けながら息子の沐浴をする)
同じ助産師さんに、こんどは沐浴指導(500円)で来てもらい、タイミング良くおむつ替えの様子を見てもらいました。「これくらい泣くことはあります。大丈夫です」。そして沐浴指導では、私の立ち位置と腕の位置を修正してもらい、かなり楽に沐浴ができるようになりました。さらに、「もうそろそろ一緒に入浴してもいいですよ」。怖かったけれど、思い切って一緒に入浴したら、腰をかがめなくていいぶん、もっと楽になったのでした。洗い場が息子のトイレになっちゃうことがありますが……。
もうすぐ1カ月健診です。無事終われば、息子を連れての外出を増やそうかな、と思っています。
(2015/9/29)
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【筆者】
田村(吉川)一樹
1978年生まれ、福井県出身。会社員。2014年に文京区に転居。同区に住むのは学生時代以来12年ぶり