まるで明治のファッションブックから飛び出してきたかのような、華やかな趣きを持つ作品。鏑木清方、初期の美人画の代表作「嫁ぐ人」。
桜咲く園を背景に、花鳥画をふまえてカゴの鳥。それだけでなく、着物の柄にも鳥と蝶をあしらっています。また、アクセサリーも豊かで明治の風俗が見えてきます。孔雀の羽根にハート、髪飾りにもハートがあり、オシャレです。
白鸚鵡を深読み
カゴの鳥は白鸚鵡。古来より舶来の貴重な鳥で、江戸では将軍や有力大名のペットとして珍重されます。
そのことから、この場面は上流階級、結婚を祝う令嬢たちの園遊会の設定だということがわかります。
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※この記事は「東京坂道ゆるラン」の「名画・名建築を歩く」に掲載されたものです。