緊急事態宣言により閉館中だった小石川植物園。うちから徒歩10分くらいなのですが、都心とは思えない自然の豊かさでお気に入りの場所です。昨年11月に年間パスを買ったっきり行けていなかったので、小雨の降る中でしたが久しぶりに足を運びました。
家に籠りがちで、画面を見がちで、運動不足気味の毎日。意識的に外にでて自然に触れる機会を作りたいと、いつも思っています。
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私はレイチェル・カーソンの「センスオブワンダー」という本が好きで。彼女の「知ることは感じることの半分も重要ではない」という言葉をとても大切にしています。
ついつい私たち大人は、植物や自然にしても何にしても、「知らない」ことに後ろめたさを感じ、すぐ調べたり、逆に「知っている」こと飲みに重きを置いたりするものですが、自然を「感じる」ことができれば後からいくらでも「知る」ことはできると彼女は言います。

私も散歩をしたり写真を撮る中で、この美しい植物の名前を「知らなければならないのではないか」と思うことがあるのですが、まずは「綺麗だな」「不思議だな」それだけでいいのだと、彼女の言葉を思い出しては、ただ感じる、観察するようにしています。
植物や景色とじっくり対自していると、葉っぱの形が不思議だなと気づいたり、小さな虫がそこで生きていることに気づいたり、あたらしい気づきがたくさんあり、小さな生き物たちが生きていることに間接的に気が付くんですよね。虫たちが食事をした葉っぱのかたちも、一つとして同じものはありません。
↓この葉っぱ虫食いの形は海岸線のように見えませんか?
コロナの世界的な流行を機に、多くの方がそうだと思うのですが、私も、自分のくらしについて見つめ直す時間を持ちました。
その中での大きな気づきの一つが、これまでいかに「人間本位」でものごとを考えていたのかということ。動物も植物も虫も、すべて等しく地球上に生きているにもかかわらず、「私たち人間が暮らす上でどうか」という、とても驕った視点を持っていたことに気がつきました。
実際に、人類は地球上の哺乳類の36%を占めており、60%が人間の家畜。野生動物はたったの4%だそうです。(2018年5月18日ガーディアン紙より)
私たち人類がほとんどの動植物を支配しているという事実があります。もっともっと調べていくと、私たちの豊かなくらしの裏側では、ほんとうに多くの自然が搾取されています・・・。
自分も自然の一部だということを忘れないように、センスオブワンダーを大切にしながら歩いてみる。
小石川植物園、おすすめです。
千葉愛子|Aiko Chiba
1990年宮城県仙台市生まれ。東京都文京区在住のフォトグラファー。
Instagram:@chaiko2328