近くのお店の店主さんから「アヤシオモシロ夏至ノ怪」のチラシをいただき、心惹かれてさっそく訪ねた。
場所は、東京メトロ千代田線「千駄木駅」エレベーター出口に隣接したビル「しろいおみせ」。時は「令和六年水無月弐十弐」とチラシにあり、それは6月22日夏至の日。イベントはそのビルに入っている三店舗の共催で企画された。この日は1階の「百舌珈琲店」(千駄木3-36-7)の三隅さんと佐々木さんからお話を伺う。
「今回の全館でのイベントは、ビルの2階の占いサロン『ULUCUS』のオーナーさんの声かけで実現しました」。『ULUCUS』のオーナーさんは妖怪好き。「百舌珈琲店の佐々木は、柳田国男の作品で有名な町、岩手の遠野出身で妖怪の伝説や伝承があふれる中で育ち、妖怪が好き。妖怪をキーワードにイベントをしようと、すぐに話がまとまりました」と三隅さん。2階のガラスペンと文具のお店「sowelu」にも声をかけ、「しろいおみせ」での取組みとなった。
6月22日は、開店とほぼ同時に伺った。まずは、1階の百舌珈琲店のイベント、「東西カレーコラボ」に参加。
1枚のプレートに、東京の百舌珈琲店のカレーと京都の「カレー工房ギャー」のカレーが左右に盛られている。真ん中には、カッパのイラストがプリントされた最中のカップがトッピング。東西どちらも同じくらいとても美味しい。他には妖怪スイーツなどもあった。
1階のカフェは、早くから満席状態。相席は当たり前で、私の前に座っていたのは、シナリオライターの女性で「ULUCUS」の常連さん。「仕事のことを占っていただき、元気がもらえる」という。
その日は、「ULUCUS」では、妖怪占いをやっていた。生年月日から、その人の心に潜む妖怪を暴くというもの。
隣りのお店「sowelu」では、限定妖怪ガラスペンやインク、手拭のなどの妖怪グッズが売られていた。インクの「沼ガチャ」も。
2階の通路は、妖怪のレトルトパックのカレーやTシャツなどの妖怪グッズがあふれるように並べられていて、お店の中も外もお客さんがいっぱい。
3階は、お店としては使われていないが、この日午後はトークライブが行われた。1つは、幼少期からの妖怪好きが高じて、妖怪屋という会社を起業した福島出身の相田一成さんの「カッパについての話」、もう一つは、「びいいんぐ」編集の、かわかみなおこさんとはおまりこさんの、妖怪、オカルト、怪談、民俗学好きが作るZINEの話だ。トークライブは申込制で当日は満員だった。
今回の妖怪イベントは第1回目。三隅さんは、「今後も地域のみなさまや観光にいらした方が笑顔になるような活動をしたいと思っております」と語った。(稲葉洋子)