「生まれ育ったこの町に、いつかケーキの美味しいカフェをつくりたい」
少女時代からの思いをかなえ、2011年12月に「KNETEN(クネーテン)」をオ―プンさせた菊川知子さん(39歳/写真(左))。大切にしてきた本に彩られた空間は、かつてそのカフェスペースに通っていたという、小石川にあった絵本屋さん「ピッピ」を彷彿させる。
調理師、製菓学校を経て、レストランやケーキ店で修行を積み、ドイツに留学。帰国後は、「大地を守る会」グループ会社のパティシエとして活躍しながら、安心・安全な食材についての造形も深めていった。一方、物件を探しつつ、文京区の「チャレンジショップ支援事業」に応募。助成金を受けながら、内装もすべて自分で手がけ、夢のカフェの完成だ。
旬のフルーツを焼き込んだバターケーキやタルトは、ほどよい甘さとドイツ仕込みの素朴な風合いが魅力。オーガニックや国産、フェアトレードの原料にこだわり、冷凍ものはいっさい使わない。選ばれた材料で、きちんと丁寧に作られた焼き菓子が評判を呼び、子連れママたちのリピーターも多いという。
週末限定の季節のフルーツを使ったショートケーキや、野菜たっぷりのサラダやスープ、キッシュをメインにしたワンプレートランチも人気。
「多くのリクエストにおこたえし、日曜も営業することにしました」という菊川さん。今後は、テイクアウト商品を充実させたり、オーガニックセミナーを開いたりしたい……、と夢は広がる。(工)
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