本郷、谷根千から上野、湯島、神保町は「文化資源区」!2020年東京五輪へ向け1万プロジェクトを仕掛ける文化資源区構想始動

東京文化資源会議地図2015

 

本郷、谷根千、上野といった東京北東部を「東京文化資源区」とし、東京五輪が開かれる2020年に向け、東京の文化資源を掘り起し、新たな魅力を高めようという構想が、有識者やアーティスト、地域づくりにかかわる有志によって進められている。5月21日には第1回のシンポジウムが開かれ、国際芸術祭「東京ビエンナーレ」をはじめ「1万のプロジェクトを実施する」という壮大な構想が語られた。

 大勢の人(会場には大勢の人が詰めかけた)

 

「東京五輪では青山通りが若者によるアメリカ文化の発信地となった。しかし東京には大正文化の中心地ともいえる一ツ橋から上野にかけての文化資源がある。若者のアメリカ文化に中高年の大正文化、静と陰があれば東京の厚みが増す」。都市計画の専門家で「東京文化資源区会議」会長に就任した早稲田大学特命教授の伊藤滋さんはあいさつでこう述べた。

 

吉見先生発表(構想を語る吉見さん)

 

東京大学がある本郷の学術資源、谷中・根津・千駄木の町並みなどの生活資源、博物館や東京芸術大学がある上野の芸術文化資源、秋葉原のポップカルチャー資源、神保町の出版文化資源・・・「湯島天神から半径2キロで徒歩圏内。ここを生かさない手はない」と東京大学教授で構想の発案者、吉見俊哉さんは言う。「戦災復興期の前回東京五輪と違い、今回は震災復興の視点を持ち、地方の未来も示すものでないと。公共土木事業や巨大な商業主義型イベントではなく、持続可能性や文化資源、多様な価値を重視したい」

 

文化活動の拠点「アーツ千代田3331」の統括ディレクターで、アートの視点から秋田県大館市や富山県氷見市のまちづくりにも取り組む東京芸術大学准教授の中村政人さんは「アートと産業とコミュニティーを一体化したようなものとして、東京ビエンナーレをやりたい」。

上野桜木あたり

(古い民家を改装した「上野桜木あたり」)

 

谷根千で建物や生活文化の保全と活用に取り組むNPOたいとう歴史都市研究会副理事長の椎原晶子さんは、20年来、まち全体を展覧会場にしている「芸工展」の取り組みや、古い建物を再生させ、お店や住民でシェアしている「上野桜木あたり」などの取り組みを紹介。「みんなの路地、みんなの座敷、みんなの田舎。ふるさとになれるまち、そのまとまりが生活文化」と話す。

 

まちが図書館。まちが大学。まちが工房。まちが劇場。まちがワークショップ(実験場)。それを東京でできたらおもしろくなる、という発言も。具体的なプロジェクトとして、古いビルのリノベーションコンペやコミュニティーアートセンターの設置、プロジェクトスクールや、歴史ある建物や路地などをいかす環境プログラムなどが提示された。吉見さんは「1万のプロジェクトをやる」と鼻息が荒い。

 

東京文化資源会議では、会員を募集中だ。詳しくはサイトで。(敬)