〈特選!ご近所 茗荷谷界隈〉⑤「育児コンシェルジュ」や「ぬいぐるみおとまり会」も/小石川図書館、山田館長に聞く

 文京区内には全部で10の区立図書館がありますが、最初に開館したのがこの小石川図書館(小石川5-9-20 電話 03-3814-6745)。明治43年(1910年)8月「小石川尋常高等小学校内(現在の竹早公園)」に東京市立小石川簡易図書館として生まれました。 戦時中の休館などありましたが2000年には耐震補強工事などリニューアルも終え今年で105年目となります。
 文京区は人口あたりの蔵書数は23区の中では千代田区に次ぐ2番目となります。レコードに関して23区全体が保有するレコードの3分の2の約2万枚が文京区、それも小石川図書館に所蔵されているとのことです。(平成27年度東京都公立図書館調査)
 
 山田館長にお話しを伺いました。
 山田さんは今年4月から、区立小石川図書館と大塚公園みどりの図書室を兼務する館長さん(指定管理者株式会社図書館流通センター社員)です。そういえば、最近、小石川図書館の1階のレイアウトも変わり、入り口のあたりが広々と明るく、カウンター前の椅子も可愛らしくなり、4階ホール(80名定員)で開催される企画に沿った図書類がタイミング良く展示されるようになったなぁと感心をしていたところです。お話を伺うと小石川図書館で働く図書館員の方々はここの仕事ばかりでなく「第一中学校」「柳町小学校」「茗台中学校」「大塚小学校」「窪町小学校」の司書としてのお役目も持って、週4日、一日4時間兼務している方もいるとのことでした。これは文京区の方針で、ほかの区立図書館からも地域の学校図書館の支援を行っているそうです。たいへんですね。
 
 最近何かと話題の収蔵本の選択についてうかがいました。
 区内10の図書館は真砂中央図書館を中心に横の連携を図り、新たな本の購入などは文京区の選定基準によって選ばれているようです。また、それぞれの図書館には収蔵する本の「分野」が分かれています。例えば小石川では「法律」「日本文学」「音楽資料」「教育」分野に関する本を収蔵することに、「地域情報」はどこの館も所蔵していますが、特に真砂中央図書館は中心館として、古書、古地図などの郷土資料を始め、現代の行政資料を含めた地域全般の資料の収集と保存を行っています。
 また「話題の新刊書などを増やせば閲覧数や貸し出しが増えるかもしらませんが、図書館として必要な資料は何か、を全体のバランスを見て、真砂中央図書館が中心になって選定をしています。公共図書館には『出版文化を支える』という役割もあるので、そのときあまり話題にのぼらなくても10年、20年後に必要な資料を収蔵して、たとえ地味な本でも利用者に使っていただけるよう魅力的に紹介することを考えます。」なるほど、このあたりが図書館を「ビジネス」で考えるところと異なるところですね。
 小石川図書館では現在21万冊強が収蔵されています。利用者の特徴を伺いました。
 文京区全体での閲覧者、貸し出しが増加傾向にあること、法律関係では「ジュリスト」のバックナンバー、日本文学などの貸し出しも多く、「全般的に利用者の質が高い」そうです。また、お子さん連れの利用者も多く、山田さんが赴任してからの施策として畳敷きの児童室の一角で「育児コンシェルジュ」も毎週水曜日に始めました。また、お子さんたちに図書館に関心を持ってもらうために「ぬいぐるみおとまり会」なども企画されています。
 ご自慢のレコードコレクションは都内随一。クラシックから、ジャズ、ロック、落語、お経、効果音まで実に幅広いジャンルのものが揃っています。
 山田館長ご自身はご出身の長野県の某市で市職員として図書館に勤めたのち、東京へ。株式会社図書館流通センターに入社後は「図書館を使った調べる学習コンクール」推進をご担当、広報のご経験を経て、小石川図書館をこの4月から担当することになりました。
 界隈のみなさんの「4階ホールまで階段で上がるのに年寄りは大変、なんとかエレベーターを」、また、蓋つきであれば持ち込めるとのことでしたが、「館内での美味いコーヒーなどの販売」という要望をそれとなくお伝えしました。
 現状の建物では、なかなか難しそうですが。
 「来館の際には、山田館長はじめ図書館員へ、ぜひ気軽に声をかけてほしい。」とのことでした。
(この記事は「ご近所 茗荷谷界隈」に2015年11月7日に掲載されたものです)