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まち自体がメディア/谷根千がまいた種が実りに/JIBUNサイト開設記念イベント

 

地域誌「谷根千(谷中・根津・千駄木)」発行者だった仰木ひろみさん、谷中ベビマム安心ネットの主宰者、石田桃子さんを迎えたトークイベント、「地域メディアがまちを耕す」がこのほど、文京区春日のアカデミー茗台で開かれ、約30人が集まった。
谷根千は1984年、仰木さん、姉の森まゆみさんと、子どもが同じ保育園だった山崎範子さんの3人で始まった。「マスメディアと違い、子育て中の私たちが共有できる地域の情報が欲しかった」という。第1号は菊まつりがテーマ。その後、お風呂屋さん特集などでまちの資源を発掘していったほか、まちの問題もたくさん見えてきて、不忍池の地下駐車場問題や地上げなど、社会的なテーマも取り上げた。インターネットのない時代、子連れで路地を歩き回り、自転車で配本し集金して回った。「取材も執筆も売るのも広告取るのも、ぜ~んぶ自分たちでやっていたから、血のにじむ思い。心底疲れた」。2009年、94号で終刊。しかし、その活動は人と人をつなげていき、谷根千は一般名詞となり、「地域」となった。
一方、谷中ベビカム安心ネットは、自助共助のネットワークをつくり、乳幼児がいる家庭を孤立させないことを目標にしている。きっかけは2011年の東日本大震災。当時長男は0歳だった。この時期の親子は密室で2人きりになりがち。どこにも属さない危うさに気づき、メーリングリストづくりから始めた。交流会やこども文庫、手仕事のワークショップなど、イベントを開きつつ、ネットでゆるくつながっている。ライターでもある石田さんは「谷根千が発掘してくれた地域の資源があるので、やりやすい。まち自体がメディアだと思う。おもしろいコンテンツがいっぱい。イベントなどの企画は、雑誌のコンテンツ企画と同じ感覚でたてている」という。いずれ紙媒体も出したいというが、雑誌発行が目的ではない。「谷根千で下町ブームが起き、まちのブランディングができた。地域の人の意識を変化させ、人が集まってきた。そうしてまちが生き生きする。メディアにはよそ者の視点も大事」と話していた。

地域メディアがまちを耕す・登壇者アップ用

 

 


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