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和楽器に親しみ四季を感じた/びわしゃみ~見つけてみよう春夏秋冬

 和楽器の音に触れ、四季を感じてみようというワークショップ「びわしゃみ~見つけてみよう春夏秋冬」がこのほど、文京区小石川の「さきちゃんち」で開かれ、36歳ごろの子どもと親が10組程度参加した。その名の通り、琵琶と三味線を奏で、四季をめぐる趣向。企画した琵琶奏者の川嶋信子さんは「和楽器が知られていない。子どもたちにはまず音に親しんでもらいたい」と話す。

 「あ~なたのお名前は?」。琵琶の音を背景に、自己紹介が始まった。名前を言ってポーズを決めると、「よ、日本一!」と掛け声をかける。ほとんどが初対面の親子同士、輪になって、すぐに打ち解けた。

 鳩笛が「ホーホケキョ」と鳴る。「桜の花にウグイスがとまっている」と川嶋さんが言うと、花びらが舞う様子を三味線が表現。次は美しい糸に彩られた手まりで、まり遊び。三味線の音をよく聞きながら、転がしたり、投げたり。これが春。

 夏といえば、海。小豆を使って波の音を聞かせ、三味線の音に合わせて、輪になって大波小波を体で表現してみた。波が静まると急に電気が消えた。細かく震える琵琶の音。それに合わせ「壇ノ浦にて~」と語りが始まる。子どもたちはちょっぴり怖そう。でも終わったら「あ~おもしろかった」「ゆうれいとにらめっこしたかった」などと話していた。

 三味線がチンチロリン、と歌い出す。「あ、虫の声だ」と川嶋さん。「秋は、お祭りがあるね」。そこで扇子を取り出して子どもたちに配る。「みんなも扇子を持ってみよっか」。手まり同様、扇子も手にしたことがある子は少ないようで、大喜びで振り回していた。

 川嶋さんが琵琶語りを始めた。忠臣蔵だ。それから、三味線が雪を表現。最後はみんなで歌って終了。「琵琶と三味線で春夏秋冬を探しに行きました」。和楽器の音や手まり、扇子に触れ、身体も動かして、子どもたちも楽しそうだった。


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