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小石川植物祭を目前に地域で盛り上がる!ボランティアがフィールドワークに参加

11月3日、4日、5日は小石川植物祭2023。今年で2回目だが、前年より盛り上がりをみせ、区内外から200人ものボランティアがかかわる予定だ。当日に向けて、小石川植物園(東京大学大学院理学系研究科附属植物園)でフィールドワークが開かれ、近くの共同印刷ホールでは、出展者とボランティア、実行委員や関係者の交流やワークショップもあり、100人以上が集った。

今年のテーマは「命名nomenclatureなぜ人は植物に名を授けるのか」。京都大学人文科学研究所准教授の藤原辰史さんをキュレーターに迎えた。「対話する」「味わう」「ふれる」「たどる」「つながる」という5つの体験で、20の出展がある。実行委員会事務局で総合ディレクターである建築家ユニットKASA(KOVALEVA AND SATO ARCHITECTS)の佐藤敬さんは、「5つの体験を念頭に、こういう楽しみ方ができるのでは、と思い描きながら園内を歩いてもらえたら」と話す。

フィールドワークでは、5班ほどに分かれ、実行委員が先導して受付場所やトイレの場所、出展ポイントなどを確認しながら植物園内を1周した。出展者も一緒に回っており、自然な会話が生まれ、さまざまな植物との出合いもあった。

最近盛り上がりをみせるクラフトコーラカルチャーについて発信している「CRAFT COLA WAVE」編集長の鯉淵正行さんは、「クラフトコーラといえばスパイスが注目されるが、植物にフォーカスしたものはまだない」と、出展に応募。業界の先駆者である専門メーカー「伊良コーラ(いよしコーラ)」と共に、植物園のイチョウやセキショウブを使ったクラフトコーラを作ってドリンクや原液ボトルを販売する予定だ。「イチョウは生薬として古くから使われてきた。コーラに入れて飲むことで、漢方の再解釈にもつながるのでは」と、祖父が和漢方職人だったという伊良コーラ代表のコーラ小林は話す。

クラフトコーラづくりでは、スパイスや植物を煮詰めてエキスを濃縮するため、素材の残り殻がたくさん出る。「それを風呂に入れたら香りもいいし、身体で味わうことができる」と、鯉淵さんは植物園近辺の銭湯とコラボしての企画も検討中だ。「植物園の植物が外に出ていって循環する、植物祭のテーマにもぴったりでしょう」

出展者の1人、本郷の「発酵するカフェ 麹中-Koujichu-」の中尾直暉さんは、植物園の落ち葉と米ぬかを混ぜて発酵させ、たい肥づくりを体験してもらうワークショップを企画。土の旅プロジェクトと名付けた。「植物園の植物がまちに、家庭に循環していく。カフェでも、生ごみを屋上でたい肥にして野菜を栽培し、カフェで出すという循環の取り組みをやっており、その延長のようなもの」と話す。

フィールドワークのあと、共同印刷ホールでは、すべての出展者の紹介があった。植物と家族になったらどうなるか、あなたの家族(植物)を紹介してください、とか、オシ植物の植物祭選挙とか、即興パフォーマンスをつくるとか。独創的でよく練られた企画が並ぶ。「いやあ、もう、これは楽しみで仕方ない」と話すボランティアもいた。

小石川植物祭は2023年11月3日(金祝)、4日(土)、5日(日)9:00〜16:30(入園は16:00まで。再入園可能)。当日は白山通り側の門も開門する。詳細はサイトで。(敬)


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