千駄木の未来を子どもたちが映像で表現/小学生から高校生へ、NPOアフタースクールが企画

「物語は不連続なほどおもしろい」

と、映画づくりの巨匠が言ったらしい。

「めちゃくちゃなものを1つにつなぐとドラマティックなものにできるよ」と、映像制作会社イグジットフィルム代表取締役の田村祥宏さんは言った。

小学生の女子が、「ロボットが増える」「森」「自然が好き」というカードを引いて「自然が好きな人が森に行ったら木がみんなロボットだった。そのロボットに追いかけられ・・・」という「物語」を書いた。

放課後NPOアフタースクールが企画した「千駄木で子どもたちと街の未来を考えるプロジェクト」の一コマだ。

NPOアフタースクールは、地域の大人=「市民先生」や企業とのコラボにより、地域ぐるみで放課後を豊かにしようと活動を続け、10年を迎えた。その節目に、地域で一緒に子どもを育てる、放課後ならではの価値をもう一度見直し、その良さを発信しようと、今回のプロジェクトを企画した。

小学生が3回のワークショップで作った物語のシーンをベースに、高校生がブラッシュアップしてショートフィルムに仕上げるというもの。企画した鈴木香里さんは「言葉以外の表現を持つ難しさを感じている。自分の思いと相手の思いをどう続けるか。いまや身近になった映像を、伝える手段の一つにしたい」と話す。

文京区内の小学校で開催されたワークショップには8人ほどが参加。それまで2回のワークショップで地域の大人からヒアリングし、千駄木のまちが大切にしてきたことを聞きだし、文京区の未来を考え、自分がどうありたいかを考えた。そこで出たキーワードが書き出されたカードをランダムに取り出して並べ、ストーリーをつくるのが最終回のワークショップだ。

街の課題、場所、人の3つのカードを組み合わせる。「子どもが減っている」「本屋さん」「世界平和を願っている人」。偶然の妙だ。「若い人が暮らしにくい」「野球場」「勉強熱心」とか「高齢化」「エレベーター」「素直な人」など、前2回のワークショップで出た課題が反映されていることを感じる。何の関連もない3つのキーワードをつなげて物語のシーンを考えるのだが、子どもたちの頭は柔らかく、突拍子もないストーリーが次々出来上がった。それに絵をつけて発表。これらのストーリーは高校生に引き継がれ、映像化される。

参加した小学生の感想は「難しかった」「私には脚本の才能があると思った」などさまざま。講師を務めた田村さんは「作り方はプロと同じ。難しく考えずにやってみて。あとは高校生が考えるから」と話していた。

ワークショップの高校生編は11月、12月にあり、自主的に撮影をし、編集までやって、来年1月26日、青少年による文化芸能活動の祭典「コミュニティプラザ」で発表する予定だ。(敬)