「どの病院がいいのだろうか」
妻と二人で行った不妊治療の病院から帰宅直後に話しました。
人に聞くこともできないし、探す術もありません。
インターネットで「不妊治療」「病院」と入れるとずらりと出てきました。どこの病院もいいことがたくさん書いてありました。
「成功率〇%」「明るい将来のために」などなど。くすぐったくなりそうだけれど、どこにでもすがりたくなる。そんな気持ちにさせてくれそうなネットの情報ばかりでした。一つくらい「うちの病院はやめた方がいい」とか書いてあるのがあれば、それはそれで正直だと思ったのですが、そんなところは一つもありませんでした。
口コミについて言えば、相性が合ったり、うまく出産にまで至った人は「素晴らしい」のオンパレード。その一方、結果が芳しくない人にしてみれば「最低」「最悪」「医者として人の気持ちがわかっていない」などネガティブな情報が並んでいました。
どちらも正解なのでしょうが、情報の海に飛び込んでみるとどれを選んでいいのか、かえってわからなくなりました。
結局のところ、家から通いやすい病院に通院することにしました。通院を始めてから、何度か一緒に行ったことがありました。ターミナル駅から少し離れた場所にあるビルの一室でした。近くには高層のビルが立ち並び、時折吹き降ろす風で飛ばされそうになることもあるような場所でした。病院の外にまで椅子が並び、静まり返った場所でした。
患者さんはいつ行ってもあふれていて、2時間待ちは序の口な感じでした。医師は何人かいるものの、毎回同じ医師に当たるわけでもないため、カルテに書いてある内容を改めて聞かれることもありました。
何度かの診察の後に高度な不妊治療が必要との方向性が出され、夫婦で不妊治療の教室に参加することに。こちらで驚くべきことに遭遇することになりました。
※不妊治療で子どもを授かった40代の会社員男性が育児のあれこれをつづります