「すすき すすき スキ トンボのえがおが スキ スキ すすき すすき スキ ユラユラ ユララとあそぼ♪♪」

「ス・スキのうた」を歌い、踊り手を先頭に、フェスのシンボル「大きなススキのロバ」が空に向かってユララと遊ぶ。

バグパイプやいろいろな古楽器を中心に、参加する人が持ち寄った様々な楽器、子どもたちがワークショップで作った空想楽器、ランタン、ススキを束ねたスティックを手にして、子どもから大人まで200人ほどが歌い踊りながら行進する。流れるメロディーはルネッサンス時代の曲で、作詞は「ロバの音楽座」代表の松本雅隆(がりゅう)氏。

狭山公園は、西武線多摩湖駅を降りて3分。入口右手の広場では「FOOD & ハンドメイドマルシェ」を開催。広い園内を進んでいくと、「風の広場」に、たくさんのテントが点在し、木立の陰から、歌声や演奏、演技、紙芝居、ワークショップなどが次々と現れた。お互いの音を大事に、広く間隔があけられて、演奏時間もうまく組み合わされている。あちこちから親子の笑い声や拍手の音が聞こえる。だが自然のここちよい音や光が損なわれることはない。

さらに進むと、赤と青に彩られた大きなサーカステントがあり、大きいステージが見られる。舞台が設えられ、100人以上座れるように客席も作られている。

カテリーナ古楽合奏団・ロバの音楽座代表の松本雅隆さんからお話を伺った。
今年の3月に東京都公園協会からロバの音楽座に「都立狭山公園でフェスをやりたいのでプロデュースをお願いしたい」という依頼があった。

東京都は都立公園に新たな大規模花壇を作り、花と光の演出を行う取組みを、これまでいくつかの公園で進めてきた。他の公園でのフェスの資料を見せてもらったところ、夜間のライトアップがほとんどだった。

今回の舞台、狭山公園は、東大和市にあり、多摩湖(村山貯水池)に隣接、広々として、木や草花も多い自然あふれる公園。「最初に考えたのは、美しい公園から聞こえてくる音、自然の音楽を邪魔しないようなフェスが出来たら良いなということでした」

「歩いていれば、いろんな自然の音が聞こえてきますね。風の音、虫の歌声、川のせせらぎの音。この自然の音楽と私たちの音楽が協和するような、そんなフェスにしたいと思った」という。「パフォーマー側も、『ザ・公演』という感覚ではなくてね」

巷のフェスは3日間くらいのものが多いのだが、この「花と光のムーブメント」の期間は8日間。結構長い。

出演するアーティストは集まるだろうか。心配していたが、「類は友を呼ぶというか、頭の中にあるパフォーマーに連絡して、今回のフェスの意図を話す度、『それステキですね。ぜひ、一緒にやりたい』と、プロ・アマ関係なく、ノーマイクを条件としたミュージシャンや芝居、マイム、人形劇、紙芝居など様々なジャンルの人たちが集まってきました」

そこから東京都と打合せが始まり、「花と光のムーブメント」なので、花や造花で公園を飾るという話が浮上した。「花のない秋に、これはさすがにやめてほしいと感じて、狭山公園に下見に出かけました」。公園にはススキが群生していて、夕日に照らされて美しく、実に神々しかった。そこで思いついたのが、「ススキ」を主役にすること。「早速、『ス・スキの歌』を創りました」。「ススキの中には、『好き』とう言葉が隠れていますね」と笑う。「『好き』はとても大事なキーワード。自然の音を音楽と感じ、自然をもっともっと好きになって欲しい」、ス・スキには、そんな願い込められている。

「東京都の主催ということで、たくさんの規則があり、協会との調整が難しいこともありましたが、ロバの力で徐々にやわらかくなって、フェスが始まると、協会のみなさんから、『すばらしいフェスになりましたね』という声が聞こえて、ホッとしています」とほほ笑む。
松本さんは今、「頭に描いていたフェスの風景が目の前に広がり、『これをやりたかったんだ』と、嬉しい実感が湧いてきた」という。

「こどももおとなも、一緒に踊り歌い、ススキのパレードに参加したり、狭山公園の自然の音楽に耳をすまし、懐かしくて新しい音を体にいっぱい浴びて、『自分の好き』をいっぱい見つけて欲しいなと思っています。みなさんのご来場をお待ちしています」
ロバの音楽座のプロデュースによる「花と光のムーブメント 狭山公園 音と遊びときらめきの花 ススキと光のハーモニー」は24日(月・祝)まで。土・日・祝 11:00~19:00 ※パフォーマンスあり。金16:30~19:00※ライトアップのみ。演者・出演団体は、HPで確認を。(稲葉洋子)

