パパの育休で競争力アップ/NPO法人ファザーリング・ジャパンが「さんきゅーパパ緊急フォーラム」

笑顔のさんきゅー(産休)パパを増やすにはどうしたらよいか――男性の育休取得率が2.3%と低迷するなか、NPO法人ファザーリング・ジャパン(FJ)が8月18日、文京シビックセンタースカイホールで「さんきゅーパパ緊急フォーラム」を開いた。

基調講演では、父親の育休取得が拡大しつつあるドイツの現状を、みずほ総合研究所の大嶋寧子さんが報告。ドイツも日本同様、「三歳までは母の手で」といういわゆる三歳児神話が根強い国だが、メルケル首相のもと、休業中の手当の拡充などの制度改革を進め、男性の育休取得率が2006年の3%から2013年には32%に拡大したという。父親の育児参画が、女性の職場復帰を早め、競争力アップにつながるという報告も出ているそうだ。「個人の幸せや福利厚生ではなく、父親が育児できる働き方は、日本経済と社会の活力にかかわるファクター。父親の育児は日本再生の鍵」とまで言い切った。

大嶋さん

続いてFJの塚越学さんが、事実上の育休を有給休暇で取っている「隠れ育休」の調査結果を発表。前回調査(2011年)とほぼ同様、取得率は46%だった。「これは有休の取得率と同じ。この4年間、個人啓発をやってきたが、何も変わらなかった。つまり、職場や上司を改革しないといけない」と塚越さんは言う。このため最近FJが力を入れているのが、上司の意識を変えるために講演や啓発活動をする「イクボス」プロジェクトだ。

区長講演

パネルディスカッションでは、男性の育休取得率100%を掲げる損保ジャパン日本興亜の島津侑香さんが、「育休は一部の人の福利厚生ではなく、成長戦略だ」と熱く語った。在宅勤務やノー残業デー、朝型勤務などにプラスして男性の育休を戦略として促進。特に上司に声をかけるなどして、昨年14人の取得者が8月までに68人と飛躍的に伸びているという。

成澤廣修文京区長も登壇し、区役所の職員の育休取得率について報告。「意識は高まりつつあるが、働き方の見直しをせずに取得率だけ議論してもいけない」と話した。