イクメンと呼ばないで~男37歳、ただいま育休中(10)最終回/復帰初日に息子が発熱!/いっしょに過ごした8カ月の愛情が基礎に

 8カ月におよぶ育休も終わり、5月2日が最初の出勤日でした。
息子を会社近くの保育園に預けて出勤。新しい持ち場で仕事を覚えるのにアップアップです。夕方、社用のスマホがぶるぶるふるえました。「○○くんが8度0分の熱があります。お迎えに来てください」。私用のスマホの着信に気づかず、こちらにかかってきたようです。お迎え担当の妻に電話がつながらなかったので、ラインで報告し、私が迎えに行くことにしました。上司(女性)に「すみません、息子が熱を出して迎えに行かなければなりません」と告げると、「わかりました。行ってあげて」と快く送り出してくれました。復帰初日から早退とは……申し訳ございません。
保育園に行くと、息子はそんなに具合が悪そうにも見えません。心配になった妻も保育園の近くの駅まで来てくれました。帰宅後に熱を計ったら、すっかり下がっていてホッとしました。ストレスで一時的に発熱したのでしょうか。
 私も妻もどうしても息子を見られないときに備えて、お試しでベビーシッターを利用してみることにしました。文京区の「子育て訪問支援券」が使える事業者に、まずは休日に来てもらいました。
育休中にやろうと思いつつもできなかった荷物の整理をしている間、息子の世話をしてもらうことに。家に入ってきたシッターさんを見て息子はうえ~んと泣きましたが、しだいに慣れて、ベビーカーで近所の公園にお散歩に連れて行ってもらいました。3時間見てもらっている間に、夫婦2人で作業を終えることができました。こんどは、平日の保育園のお迎えに利用する予定です。
 仕事をしていれば、出張もしばしばあります。5月中旬、大阪出張が入りました。先方の都合で朝イチしか空いていないといいます。息子のことがあるので日帰りにしたかったのですが、新大阪からちょっと離れていて、初めて行く場所でもあるので、やむをえず大阪に前泊することにしました。
出張から家に戻ると、妻の方はやはり大変だったようです。私が1泊する間に、妻は夕方に息子を迎えに行って翌朝に保育園に送るまで、すべて「ワンオペ」になるからです。出張はなるべく日帰りで、を肝に銘じました。
 仕事のことはこのくらいにして、息子の保育園生活について。
 保育園に預けると、保育士さんや看護師さんの目線でいろいろアドバイスしてもらえるのがありがたいと思いました。最初はおすわりで体がぐらつき、「床で運動させて、おすわりの練習もするといいですよ」と指導されました。家でおもちゃを使って床でゴロゴロ運動させるようにし、今までバウンサーに寝かせることが多かったのを、ハイチェアやバンボチェアに座らせる機会を増やしました。それでたしかにおすわりが安定してきました。
 また、息子が首の後ろをよくかく、との報告を受けました。皮膚科に行くと、「あせもですね。よくふいて清潔にしていれば大丈夫」とのこと。これまで使っていたプロペトではすっきりよくならないので、妻が桃の葉ローションを買いました。それを朝晩塗り始めたところ、肌がずいぶんきれいになりました。
離乳食は持参しなければなりません。妻が離乳食づくりに精を出し、週末に栄養バランスや食材のバラエティーを考えて作り置きしてくれています。最初は保育園で残していましたが、今では完食することが多くなりました。歯が育つように、少し歯ごたえのあるものを、とアドバイスされました。
 ひとつ気がかりなのが、食物アレルギーです。これまで食べる食材を少しずつ増やしてきて、9カ月を迎えて卵白を食べさせました。すると、数時間後に右ほおに赤い発疹が出ました。卵白との因果関係が確定したわけではありませんが、しばらく卵白は控え、成長したらもう1回チャレンジしたいと思います。
 息子はまだ0歳児。育児は始まったばかりです。最初に8カ月の育休をとったことで、自分が育児の当事者になれた気がします。長い時間をいっしょに過ごしたことによる愛情が基礎にあります。
 世のママたちが当たり前にやっていることをパパがやると「イクメン」とたたえられる。そんな現状に違和感を持ってきました。イクメンという言葉には、「子育てはママの役割」という大前提が隠れています。ママだけでなくパパも育児をするのがふつうになり、イクメンという言葉が古くさく感じられるようになったとき、ママはもっと生きやすくなり、大きなことを言って恐縮ですが、社会はもっと豊かになるはずです。そう信じています。
今日も仕事をしながらスマホが鳴らないか気にしています。それは、仕事を切り上げなきゃならない懸念というよりも、息子が熱を出していないか、具合が悪くなってないか、という親心からです。
◇「イクメンと呼ばないで~男37歳、ただいま育休中」は終わります。お読みいただき、ありがとうございました。
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【筆者】
田村(吉川)一樹
1978年生まれ、福井県出身。会社員。2014年に文京区に転居。同区に住むのは学生時代以来12年ぶり