ママが集う茶話会から、まちの人のつながりを育む「広場」へ/ツチノコ広場

「ツチノコ広場」は、子育て中のママたちが、子どもの預り合いから季節のイベントまで、「ご近所さんとつながろう」を合言葉に子育ての仲間づくりを目指す集まり。社会福祉協議会の「ふれあいいきいきサロン」に登録しており、千石・小石川地域を中心に不定期で茶話会やイベントを開催している。

1月29日(日)午前中に文京区民センターで開かれた「まちの子育て交流ひろば」に参加した代表の倉持歩さんにお話をうかがった。

土曜日。公園や児童館などの子どもの遊び場は小学生の利用が多いため、乳児連れで遊べる場所が少ない。そんな悩みを抱えたママたちが先輩ママの勧めで始めたのが「ツチノコ広場」だ。「土曜日に子連れで集まる広場」が名前の由来。

2010年の10月頃から、マンションの集会室や区の交流館の部屋を借りて茶話会を始めた。それから地元の町会の協力で地域の会議室を利用できるようになり、地元のおじいちゃんやおばあちゃんの子守りも得て、ママ同士でおしゃべりをし、くつろげる一時を設けることができた。

子育てしているママたちが、地域の人と関わるようになり、気持ちの余裕が生まれると、何かを「やってみたい」思いも生まれてくる。ちょうど地域のコミュニティカフェ「風のやすみば」の立ち上げに関わることになり、幼稚園仲間のママのアイデアで、カフェのオープニングに自分たちで作る雑貨などを販売することになった。それが「ツチノコ雑貨マルシェ」の始まりだ。小物作りが好きなママたちが集まり、年に数回、地域でマルシェ(店・市場)を開くようになった。儲けはないものの、作ったものを喜んで買ってもらえる地域とのつながりが、ママたちの満足感となっている。

雑貨1 雑貨2

ママだけでなく子どもたちも地域の人と顔の見える関係を作れないか。東日本大震災のあった年の秋に開いた「ハロウィン」も、そんな小さな思いとママ友のアイデアから始まった。友だちの家から自分の家まで、間にあるお店や事務所の協力を得て、知り合いの親子20人ぐらいでお菓子を集めて巡る。小さなイベントに年々参加者は増え、2年後には大鳥商店街で開催することになった。最初の年に参加した子どもたちもお菓子をもらうだけだったが、3年目は受付役を申し出、さらに次の年は菓子を配りたいと参加者をもてなす方に関わるようになった。昨年秋のハロウィンには300人近くが参加した。

ハロウィン2

ハロウィン1

この他にも子どもの預け合いの試みを行ったり、みんなで集まって作り置き惣菜を作る「まとめしの会」を始めたりしている。どれも自分ひとりではできないことを、ひろばでできた友だちや地域の人と力を合わせて実現できた。

長女が生まれたときは、乳児を外に連れ出しては行けないと思い込み、家に閉じこもりがちになったという倉持さん。

「ツチノコ広場をやっていると『元気なママ』に見えてしまうみたいなんです。でも『人に頼ろう、つながろう』と言っていた私が一番人に頼るのが苦手だったんです。人に頼るのが苦手で独りで頑張っちゃうママも多いんじゃないかな。」

「自分が苦手なことも、他の人は得意だったりするんですよね。自分ができないことを人に頼っても、人に助けてもらってもいいんだとツチノコ広場で教えられたように思います。」 笑みを浮かべながらそう話す倉持さんがとても印象的だった。(亀山恒夫)