「子どもは地域のパスポート」を合言葉に/パパ主体の育児サークル「ワラビー」

文京区内には今、子育てサークルが次々と誕生している。1月29日に開かれた「まちの子育て交流ひろば」には乳幼児連れの世帯が続々と集まってきていた。その中の一つ「ワラビー」というサークルを取材させていただいた。
ママ友ではなくパパ友中心のグループ。有袋動物のワラビーとの関係は? 子どもをおなかの袋に入れて走っているのはワラビーのパパの方だっけ?
いえいえ。ワラビーは、「笑う」と文京の「B」と組み合わせた名前だそうだ。子育ての会なので、もちろん「袋の中の赤ちゃん」の意味も含む。
幹事の高山陽介さんは、6年前に文京に引っ越してきたという。ご近所の人をだれも知らない状況で、お子さんの元気な泣き声が近所迷惑にならないか、とても気になったという。せっかくこの地域に暮らすのだから、うるさいとか大丈夫とか言い合える「当たり前のご近所作り」をしたいと思ったそうだ。
高山さん
子育てを通じて地域のつながりを持ちたいという高山さんと、未就学児のいる、特にお母さんが忙しい世帯のパパたちが意気投合、共鳴して集まり、ゆるいつながりのサークル「ワラビー」の活動は続いている。
何をするわけでもなく、みんなで集まって、子ども同士を遊ばせる。場所は室内も野外もさまざま。たとえば荒川遊園など、遠くても行きたいと思えばどこへでも行く。みんなで集まれば、トイレに行きたいときもお互いに子どもを預け合える。ビールも飲める。
それは日常でも力を発揮する。いつでも困ったときは仲間同士で子どもを預けたり預かったり。そういう関係を作っているのがワラビーだ。目的は交流であり、活動はきっかけ。ワラビーでのつながりがあるから、子ども同士も友達になって楽しい。
子ども同士を遊ばせるワラビーのメンバー
5年間で500人がワラビーにつながり、現在は300人会員がいるという。
「いつまで文京で暮らすのかわかりません」と高山さん。子どもたちは縁あって文京区に生まれ育った。地元の友達をたくさん作り、精一杯楽しく幸せに暮らしてもらいたい、と言う。「『子どもは地域のパスポート』。子どもを通して大人は地域の仲間を作っていけるのです」と高山さん。彼なら、引っ越すことがあっても、新しい土地でこの区での経験を生かして、第2のワラビーを作り、子どもたちの地元作りを進めていくことだろう。
この日、「まちの子育て交流ひろば」に集まったのは、10ほどのサークル。「距離が近いサークル、同じ趣味の人たちのサークル、さらに高齢者のサークルとか、いろいろなサークルができるといい。こういう交流を通して、文京区に住む親子が好きなところに所属しながら、サークル同士がつながっていくようにしたい」と高山さんは話していた。
(稲葉洋子)