Close

子育て中こそ起業でしょ!生き方をガラリと変えた人たち

健康的なメニューの開発、ママ目線で商品づくり、パパがつくった親子カフェ・・・子育てなどがきっかけで、ユニークな起業をした人たちがいる。東京都府中市でこのほど開かれた「子育て中こそ起業でしょ!~育・業 両立のカタチ~」というイベントをのぞいてみた。

最初に登壇したのは八王子市在住の早川洋子さん。地域で栄養士の会を作って市民祭りなどでの相談をボランティアで始め、勉強して管理栄養士の資格を取得。2006年に起業した。当初は外資系の会社の健康相談室で栄養指導をしていたが、どうせならプログラム化したいと考えて実践と効果を評価するプログラムを開発。産婦人科の病院や企業向けに仕事を増やしていった。

転機は親子カフェのメニュー開発を手伝ったこと。カフェに来た生協関係者にメニューが目にとまり、それがきっかけで生協の広報誌にレシピを掲載するようになった。「料理のメニューに悩む妊婦さんとママの支援が私の使命だと思いました」。離乳食講座や大学生向けの健康教育も実施。カフェオーナーのママをはじめ、様々な分野の人とボランティア活動で知り合った。「人とのつながり、ご縁が大事だと思っています」

府中市の伊浪里奈さんは、国内線の客室乗務員として働いていたが、1日に羽田-福岡を2往復するなど、体力勝負の重労働だったため、キャリアと子育てについて考え直して転職。1人目の子どもが生まれたあと、平日は家にほとんどいない夫に対して、子育てのストレスを吐き出す形でイライラをぶつけまくった。「産後クライシスです」。そんなときに、怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」に出合った。本で独学し、日本アンガーマネジメント協会の講座に通って認定ファシリテーターの資格を取得。アンガーマネジメント講座の講師として開業した。2人目も生まれ、子育てのかたわら、府中市の子育て情報サイトや情報誌の編集や、府中子育て会議のメンバーも務めるなど、精力的に活動している。「子育て中に起業するメリットは、自分のペースで働けること。自分軸を大切にしながら仕事をしたい」と話す。ママ向けのキャリアデザインの仕事などへ事業拡大もしたいし、3人目も欲しいと、鼻息が荒い。

唯一の男性の登壇者だった藤本玄太さんは、もともとは保育士として10年ほど働いていた。知人の男性保育士と、待機児童解消や子どもの居場所をつくりたいという話をしている中で、かかわりのあった子どものおじいちゃんから、自分の土地に建物を建てるが何かやらないかという話が舞い込んだ。そこで始めたのが、親子カフェ「kotocafe」。子どもとカフェを楽しんでほしいから「子とカフェ」だそうだ。100平方メートルを、キッズスペースのある親子カフェとして使っているが、広いスペースとしても使えるため、託児付きのピラティス教室など、講座や習い事なども年間600もやっている。「女性の起業支援やコミュニティデザインも事業としてやっています」という。起業したい人が集まる交流会の開催やフリマ、マルシェなどを協賛企業と開催。遊休不動産の活用や、高齢化が進む多摩ニュータウンの活性化事業なども手がけているという。「やりたいことは何か考え、強く思うこと。思っていれば『引き寄せる』こともあり、実現につながることもある」と藤本さん。

それぞれに、強い思いや使命感を持ちながら、生き生きとしていた。もう1人、ママ起業した方については別稿で紹介する。


Copyrights © 2007-2015 JIBUN. All rights reserved.
error: 右クリックはできません。