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パンを焼いて自ら学び家族も喜ぶ/習い事としてのこどもパン教室うつせみキッチン

ペタン!机にたたきつけたパンだねを手前にたたんでまたペタン!

「手につくー」という子どもたちに、「オリーブオイルを塗ってみて」。こどもパン教室「うつせみキッチン」を主宰する小沼裕子さんがタイミングよく声かけをする。3月3日、文京区関口の我楽田工房で、小学生を対象に「子どもパン体験 ちゃっちゃかフォカッチャを作ろう」が開かれた。

小沼さんは神奈川県厚木市で子ども向けに「習い事としての」パン教室を開いている。ママ友向けお料理教室を公民館などでやっていたが、「夏休みに子ども向けに何かやってくれないか」とママ友に頼まれ、パン作り教室をやってみたことがきっかけで始まった。かれこれ20年になる。最初は3人ぐらいだったが、毎月やってくれないの?と言われたことから、毎月開催することに。自らも3人の子どもを育てながら、お稽古ごととしてのパン教室を続けてきた。

「パンは粉をこねて発酵させて、形を作って焼き上げるだけ。決まった工程でできる。時間がかかることが難点だったが、短時間でできるレシピを開発した」と小沼さん。発酵する時間と焼く時間はティータイム。絵本の読み聞かせなどもし、子ども同士も雑談をする。「異年齢で男女混合の方が互いに刺激し合って伸びる」。こねるのが好きな子、成形が好きな子、おやつが出るから来る子、パンは嫌いだけど作るのが好き・・・来る目的はみんな違うが、それぞれにそれぞれの学びがある。

そして何よりも、焼きあがったパンを持ち帰ると家族が喜ぶ。子どもはいろいろ作って持って帰りたくなるのだという。「達成感や自信、自己肯定感をはぐくみます」。生地は同じでもトッピングを選ぶ、フィリングを選ぶ、練り込み材料を選ぶ、などいろんなバリエーションがある。1年の終わりには自分でレシピを考えてオリジナルパンを作る。「イベント的なパン作り教室はあるが、習い事としてのパン教室はありそうでないんですよね」。最大で年間70人が学んだこともある。

一番最初に焼くのは基本のパン、ちゃっちゃかフォッカッチャ。我楽田工房では5人の小学生が集まり、フォッカッチャ作りに取り組んだ。強力粉にぬるま湯とドライイーストなどを混ぜてまとめ、たたいてたたんでこねて、15分発酵。肉まん型にまるめ、麺棒でのばす。焼き皿に乗せて、指で穴をあけて、塩とオリーブオイルを振りかけて焼く。約75分の工程だ。

実家は豊島区。家庭を持ってから厚木での暮らしが長いが、いつか東京でこどもパン教室を開きたいと思ってきた。うつせみキッチンの名は実家近くの橋の名前に由来する。

我楽田工房のイベントに参加した縁で、今回は体験会として開いた。4月以降、教室としての開催も予定している。

問い合わせはメール(hiro321konuma@yahoo.co.jp)またはフォームで。最新情報はブログで発信中。(敬)


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