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忙しい朝の食事にグラノーラを/天龍村のゆずを使い、グラノーラパフェづくりイベント開催

いちごソース2さじ、ヨーグルト3さじ、グラノーラ適量、ゆずゼリー2さじ・・・何層も重ねていって、トッピングにゆずの皮やピール、規格外のリンゴやチョコを飾れば、おいしそうなパフェの出来上がり。文京区関口の我楽田工房でこのほど、長野県天龍村のゆずを使い、グラノーラでパフェを作ろうというイベントが開かれた。

グラノーラは、我楽田工房のシェアキッチンで料理教室を開いてきた藤原美穂さんが開発した。長らく子育てに専念し、子どもたちには好きな料理を手作りしてきたが、我楽田工房のコミュニティーマネジャーとしてフルタイムで仕事を始めたら料理をする時間がなく、時には買ってきたものを子どもたちに食べさせることもある。

「おいしくて保存ができ、栄養バランスがよくて、すぐ出せる食べ物はないだろうか」

そう考えたとき、クッキーを焼くときによく使っていた穀類が思い浮かんだ。オーツ麦や大麦のフレークに糖分と油分を混ぜて焼いたグラノーラなら、保存でき栄養バランスもあり、すぐ出せる。我楽田工房はもともと、地方とのつながりを持っている。材料でコラボできるかもしれない――。

地域交流をしてきた天龍村では、ゆずが特産だが、高齢化で担い手不足だという。長野県箕輪村とは、2019年の台風で傷んだリンゴの活用を考えたことがきっかけで交流がある。長野県千曲市には、国産大麦でグラノーラを作る工房がある。これら、地方の特産品を使って我楽田工房のシェアキッチンで試作を繰り返し、誕生したのがオラングラノーラ。「オラン」は藤原さんのあだ名だという。本格的に製品化し、量産するため、2022年12月14日から2023年1月30日までクラウドファンディングを実施、目標の3倍を超える124万7千円の支援が集まった。

イベントでは、天龍村役場からスタッフが駆けつけた。村の人口は1144人で減少傾向が続いており、ゆずや茶が特産だが、高齢化が進み収穫できない現状がある。「ゆずすけ」という合同会社がゆずと茶の販売に力を入れている。オラングラノーラには、天龍村のゆずが使われている。

藤原さんがグラノーラづくりを実演した。ゆず果汁を大麦にまとわせて香り付けし、メープルシロップ、リンゴ、米粉と塩、最後になたね油を入れてまぜ、150度のオーブンで30分焼けばできあがり。

続いてパフェづくり。すでにできあがったグラノーラを使い、材料を順番に入れていく。入れ方や重ね方、トッピングの飾り方で個性が出る。なかなかのボリュームだ。

参加者からは「体にやさしい味でおいしかった」「この量で十分な満足感を得られた」「作った人の顔が見えて、食べてもおいしい」といった感想が出された。天龍村のスタッフは「定住人口でもない、観光に来るだけの交流人口でもない。みなさんはこれで、村に何らかのかかわりを持つ『関係人口』です!」と話していた。(敬)

オラングラノーラの本格発売は今春からを予定。詳細はサイトで。


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