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幻の両国駅3番ホームですっかりへべれけ「おでんで熱燗ステーション」に行ってきた

「お仕事お疲れさま。すいませんけど、こちらはへべれけ~」と心の中でつぶやきながら、満員電車を横目にカンパイ! JR両国駅、「幻の3番ホーム」で開かれたイベント「おでんで熱燗ステーション」に行ってきた。

両国駅は1904(明治37)年、総武鉄道の「両国橋駅」として開業したという。様々な変遷を経て今は1、2番線に黄色い総武線の各駅停車が止まる駅となり、3番線は使われなくなった。総武線各駅の車内から国技館方面を眺めると、一段下がったところに見える古ぼけたホームが3番ホームだ。電車が止まらなくなってからは、イベントに貸し出されているという。

国技館のある西口改札から入った正面の通路はいつもはステーションギャラリーになっているようだが、ここにレッドカーペットが敷かれ、1月30日~2月2日に「おでんで熱燗ステーション」が開かれた。60分入れ替え制。協賛している紀文のおでんと、タラバガニ風のおつまみ、熱燗試飲券10枚がセットされている。このイベントは大人気で、昨年12月にチケットが販売されたのだが、10分ぐらいで売り切れたらしい。たいへんな争奪戦は、酒好きの仲間が勝ち抜いて入手した。

いつもは上がれない階段を上ってホームに行くと、カップ1杯のおでんとおつまみとおちょこと試飲券を渡され、さっそく日本酒のブースに走る。

このイベントの主催者は全国燗酒コンテスト実行委員会で、2024年のコンテストに入賞したお酒10種類を試飲できる。60分の時間制限があるので、6分に1杯というわけ。

山形県の「六歌仙 純米 にごり酒(金賞)」と書いてあるのを頼んだ。おちょこに半分ぐらい入れてもらい、机に陣取りおでんを食べながら飲む。にごり酒の燗酒は初めてで新鮮。フルーティーさも甘みも、しっかりある。なにしろ、ホーム上は寒いので、温かいのがありがたい。

兵庫県の「龍力 熟成古酒 玄妙(最高金賞)」などは色が濃い熟成古酒。大分県の「和香牡丹(金賞)」は九州だし本醸造だしと期待していなかったのだが、意外に味わい深くおいしかった。聞けば焼酎の「いいちこ」の醸造元だとか。「もともとは日本酒を作っていた酒蔵なんです」とのこと。ほかにも、地元産のコメ、酵母にこだわって造っている酒蔵など、おいしい燗酒を出してくれるブースがいくつもあった。

終了10分前にカランカランと鐘が鳴った。飲めない人のチケットをもらったりして結局13杯も飲んでしまった。いろんな種類のお酒を試飲できるのはすばらしい。昨年もあったようだが、毎年恒例というわけではないようだ。

3番ホームでは、おでんステーションのほか、昨年3月にいいちこ緑茶割りと花見を楽しむ「いいちゃこ桜ステーション」、昨年5月は味の素の冷凍餃子を焼く「超ギョーザステーション」、昨年10月はオタフクソースの「お好み焼道場『オタフク部屋』」など、定期的な食のイベントが開催されているようだ。チケット入手が容易ではないけれど、幻のホームで飲んだくれるのも悪くない。(敬)

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