「いつまでも健康で歩ける足を作りたい」とネイリスト、フットケアリストで「みんなの爪きり屋さん~あみ~」の佐々木亜紀子さんは言う。

「痛い所があったら歩けないじゃないですか。爪も分厚くなって変形しちゃって、靴を履いたらあたって痛い。そうしたら外出も嫌になります。だんだん閉じこもっちゃいます」。少しでも足を健康にする手伝いをしたいという。
足の爪は、高齢になるにつれ、あまり手入れが行き届かず、いつの間にか爪なのか皮膚なのかわからない状態になってしまうことも多い。佐々木さんの施術は、まず、爪の長さをニッパーでカット、ファイル(ヤスリ)でカット面を整える、爪周りの角質のケア、オイルで保湿して終了。爪だけでなく、うおのめ、たこを取り除いたり、いろいろな膝下のケアをする。

「フットケアは、あまり知られていなかったのですが、最近フットケアサロンも増えて来てきています」。「『もっとはやく知ってればよかった』と仰ってくださる方が多くて」。
「一年かけてお手入れさせていただくと、すごく綺麗になっていくんですよ。それでみなさんに喜んでいただけるので、やってるほうも嬉しいです。続けていてよかったなあって思いますね」とほほ笑む。

佐々木さんは、もともと看板屋さんで16~17年働いていた。手作業が好きで、それを生かした仕事がしたいと、ネイリストの学校に通った。爪に色を塗ったり柄を書いたりを学んだ後、ネイルサロンに勤めた。しかし、薬でどんどん爪がボロボロになっていったという。お客さんの爪も自分の爪も、ボロボロになってしまう。「これはやりたくない」と 今度はフットケアの学校に行った。足の手入れを始めたら、そちらのほうが爪が綺麗になってどんどん健康になっていく。それが楽しく嬉しくて、フットケアの仕事を続け現在10年ちょっとになる。

フットケアリストとしてスタートしてから、いろいろな形で仕事に取り組んできた。業務委託や派遣で高齢者施設を回ったり、フットケアサロンの職員、個人宅へ出張したり。文京区根津にある「九条Tokyo」の一室を借り、月一でサロンの出店もしている。

そろそろ自分のお店を確立させていきたいと思っている。しかし、今は生活を成り立たせるのに、フットケアの仕事一本では厳しい。高齢者施設の職員となり、介護の仕事もしている。フットケアと介護、二足の草鞋だ。

「介護の仕事は大好きです」と佐々木さん。業務委託で施設を回って見ているうちに、その中で働きたいと思うようになった。「もちろん、専門職としてフットケアの仕事は、一生続けたい」という。「健康な足を取り戻して、笑顔で毎日過ごしてほしい」。高齢者は、笑うととても元気になる。「施設で職員としてレクリエーションを担当するときは、自分が女優になったつもりでやってます。狙いは大爆笑。心が弾むような笑顔がいいですよね」。ボランティアでも業者でも、施設にやってくるそれぞれの専門分野で、高齢者の笑顔を生み出すことができたらといいなと思っている。「違うんですもの。専門の方がきてくれたときの笑顔は」。もっといろいろな分野の人が、笑いを運んでいけたら。佐々木さんご自身は、これからもフットケアという専門職から、高齢者の笑顔を生み出し続ける。(稲葉洋子)

