廃業した銭湯「月の湯」の「遺品」を地域に披露/富士山のペンキ絵は富士市のミュージアムへ

 廃業した目白台の銭湯「月の湯」の富士山のペンキ絵や鯉のタイル絵、本郷の「菊水湯」の看板などを展示した「銭湯でまちつなぎ~月の湯をしのび、銭湯の地域力について語り合おう」がこのほど、文京区白山の倉庫で開かれた。月の湯のペンキ絵は近く、静岡県富士市の「富士山かぐや姫ミュージアム」に引き取られ、修復した上で展示される予定だという。この日が最後のお披露目となった。
蛇口やシャワーヘッドなども
 「月の湯」は2015年5月に廃業し、都内最古の木造建築とされる建物は7月に壊された。同年9月には、本郷に暮らした作家の樋口一葉が生きた明治時代中期創業とされる「菊水湯」も廃業。区内の銭湯はここ数年で4軒が廃業し、6軒だけになってしまった。
ペンキ絵をはがす作業がパソコンで見られた
 文京建築会ユースなどが保存活動を続けており、解体前の月の湯から、職人技が光る建具や、銭湯の歴史の詰まった看板などを引き取り、ペンキ絵やタイル絵を壁からはがして、白山の倉庫に保管している。中でもペンキ絵は壁に直接ではなく、キャンバスのようなものに描かれており、はがすことができた。
月の湯にあった「早川ブルー」のペンキ絵(2015年4月撮影)
 定番の富士山のペンキ絵は、ペンキ絵師の故早川利光氏の晩年の作品で、「早川ブルー」と呼ばれる、今の絵師では出せない青色が特徴。「富士市のミュージアムに引き取られるので、その前に地域の人に見てもらいたいと思いました」と、文京建築会ユース代表の栗生はるかさんは言う。
倉庫に保管されているタイル絵
月の湯にあった当時のタイル絵(2015年4月撮影)
 ペンキ絵そのものは養生のため、にかわと和紙で覆われており実物は見られなかったが、来場者は滝登りの鯉のタイル絵などに見入っていた。月の湯の元主人を交え、銭湯の地域力について語り合うトークも開かれた。
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