【イベント】楽しく、遊びながら自然な演劇体験!ふれあいこどもまつりアウトリーチ続々/3月12日シビックで本公演

参加、体験、感動を合言葉に、子どもたちに舞台芸術の良さに触れてもらおうという演劇の祭典、「ふれあいこどもまつり」(東京都など主催)の前段ともいえるアウトリーチ活動が、文京区内でもいくつか開かれている。パントマイムやミュージカルなど、遊び感覚で楽しく参加するうちに自然な形で演劇に触れているといったプログラムで、参加者には好評だ。5日(日)14時からは文京区立六義公園でバルーンショーが、27日(月)14時から千石こじゃりで手遊びワークショップも予定されている。文京区での本公演は3月12日、文京シビックセンターで開かれ、ミュージカルパフォーマンス「マチノヒ」など3つの公演と2つの体験ワークショップが企画されている。これまで開催されたアウトリーチイベントを報告する。

なっちゃんと一緒に歌って踊ろう!(2017年1月29日)

「みんな、4つの動きを考えてくれない? 足をあげるのでも、手を曲げるのでもいいから」
ミュージカル女優のなっちゃんこと王子菜摘子(おうじなつこ)さんの問いに、子どもたちが懸命にいろんな動きをやりながら提案した。
編み出されたのは、片足を上げたポーズ2種類、腿上げ、アキレス腱伸ばし、最後は深呼吸という動き。リズムをつけながらこの動きをみんなでやるうち、なっちゃんがウクレレを弾きながらリズムに合わせて「ゆきやこんこん」を歌い出した。あらあら、なんだかミュージカルっぽくなってきた?
1月29日、荒川区の夕やけこやけふれあい館で開かれたミュージカルパフォーマンス。子どもや大人約40人が参加した。

「みんな、めっちゃうれしいことってなにかな?」
「お金をもらうこと!」「明日遊園地に行ける」「宝物が見つかった」「プロポーズされた」「パーティーに招かれた」
そんな問いにも、いろんな答えが返って来た。
「じゃあ、目をつぶって明日が誕生日だと思って、大きなプレゼントがもらえるかな、おいしい食べ物があるみたい、とうれしい気持ちになって踊ってみよう!」

なっちゃんのパフォーマンスもあった。「マイ・フェア・レディ」の「踊りあかそう」。
「この曲はね、明日楽しいことがあるから眠れなくてわくわくするという気持ちを表したものなんだよ」

「今度は、ボールを投げるみたいに声を出してみよう。ボールに『ヘイ』と書いてあるつもりで、遠くにボールを投げるつもりで声を出してみて」
みんな口々に「ヘイ」と言いながら、ボールを投げるしぐさをする。だんだん声が大きくなって、張りが出てきた。こういう練習をしたあと、「サウンド・オブ・ミュージック」の中の有名な曲「ドレミの歌」を歌う。
「これに踊りをつけてみよう」となっちゃんが言うと、ドのときはカタカナのドの形を腕でつくり、レのときはレモンの形、ミのときは隣同士で肩を組み・・・最後はボールを遠くに投げる振りで終わった。
参加者は「たのしかった」「心を開放した気分になった」「もっとミュージカルのことを知りたいと思った」とさまざまな感想を述べていた。

なっちゃんは言う。「ミュージカルは初めての子が多かったので、歌って踊ることを楽しめたらいいかなと思った。日常の出来事を極端に誇張してできるエンターテインメントがミュージカルだと思っているので、ただの体操でもミュージカルになるんだということを知ってもらえたら」。うれしい気持ちで踊る、というのは、芝居につながるのだそうだ。楽しみながら、体を動かしながら、ミュージカルの面白さに触れられるワークショップだった。
なっちゃんは3月12日の文京シビックセンター小ホールでの公演に、クラウンの「びり&ブッチィー」と共に出演する。ブッチィーは2月5日のアウトリーチ活動で、14時から六義公園でおもしろバルーンショーを披露する予定だ。(敬)

誰も見たことのない生き物を作ろう(2017年1月22日)

「子どもたちは、あまり飾りをつけなくても十分遊べるのよ」。人形劇団ひぽぽたあむの永野むつみさんは言う。
アウトリーチ活動のワークショップ「だれも見たことがない生き物を作ろう」は、1月22日、文京区千駄木の汐見地域活動センターで開かれた。
大勢の参加者とたくさんの材料。いろとりどりのラシャ紙、紙やビニールテープ、紐、封筒、ガムテープなどが並ぶ。同じ青でも5種類はある。
道具も、見たことのないようなおもしろいハサミや手回しシュレッダー、超透明セロテープや型抜き機などがあり、思わず見とれてしまう。

まず、永野さんは紙を1枚取って紙切りをはじめた。子どもたちとコミュニケーションをとりながら切り続けて、いつの間にかペーパーシアターが始まっていた。手の中で演じられる小さな小さなシアター。
それが終わると同時に、参加したみなさんの、誰も見たことのない生き物作りの始まり。
大人たちも子どもたちも夢中になり、2時間はあっという間に過ぎた。次々とカラフルでユニークな作品が出来上がった。

永野さんは、ワークショップの最初に、ボードに、「大人は小さい人たちにアドバイスしたり、先んじて示唆して邪魔をしないように」といった内容のことを書いていた。このワークショップは、目的を持った作品を作ることではないのだという。「危ない!」とか、「これがいいよ!」とか、大人が手をだして、子どもの芽をつまないように、自由に楽しんで自分の思いで作品作りをする過程を積み重ねていくことがねらいだそうだ。(稲葉洋子)

パントマイムをやってみよう!(2017年1月18日)


「さあ、準備運動をしましょう。左手をあげて、右手をあげて」
クラウンのふくろこうじさんが言うと、参加者がまねをした。
「次は首を傾けて」
「身体をねじって」
いろんな動きを組み合わせていくと、いつのまにか「キリキリキリ」という効果音が加わり、まるでみんながロボットになったようだった。

1月18日、文京区小石川の子どもがつどうまちのLDKさきちゃんちで開かれたパントマイムのワークショップ。小学生や大人約30人が参加した。
次はなわとびをやる。もちろん、本物のなわは持っていないので跳ぶまね。
「みんなうまく跳べたかな?次はあやとびをやってみましょう」「次は二重跳び」「三重跳びはできるかな」と、跳ぶ回数を増やしていくと、だんだん参加者ものってきて、果ては「十重跳び」。ふくろこうじさんが「できた人~」と聞くと、「はーい」とみんな。

大縄跳びにも挑戦。ふくろこうじさんら2人が回す大縄の中に、順に入って跳ぶ。目に見えない大縄が、見えてくるようだった。回し手が2本の縄を持って回す「ダブルダッチ」もなんのその。
「ほら!パントマイムではダブルダッチだってできるんだよ!」とふくろこうじさん。

そのほか、綱引きや、超スローモーションのかけっこも。最後は、床にはったテープの上を歩く「綱渡り」。途中でポーズを取り、戻ってくる途中には壁があって、そこを蹴破ったり、ハシゴをかけたり、ドアを開けたりして通り抜けて帰って来るものだ。もうここまでくると参加者は立派なパフォーマーになっていた。
「ごらんのとおり、まねっこ遊びをしているうちに、パントマイムができてしまうんですよ」とのふくろこうじさんの言葉に、みんなうなずいていた。
最後はふくろこうじさんのショー。帽子があっちこっち行ったり、ステッキが宙を舞ったり、ダンボールの中で頭と体がバラバラになってしまったりと、笑いと驚きに満ちたステージだった。(敬)