2019年あけましておめでとうございます。本年もJIBUNをよろしくお願いします。
今年は小石川近辺の除夜の鐘のリポートから。
まずは「こんにゃくえんま」で知られる源覚寺。源覚寺は江戸時代の寛永元年(1624年)現在地に開創されたとのこと。鐘には「元禄3年」の刻印があり、徳川綱吉の時代の1690年に鋳造されたものらしい。時代は下って日中戦争が始まった1937(昭和12)年、サイパン島の「南洋寺」に寄進されたそうだが、戦後所在不明になった。その後米国で発見され、1974(昭和49)年返還された。弾痕が今も残り、サイパンの激戦を刻んでいるという。
例年12月31日は「除夜鳴鐘の集い」と称し、午後11時半から整理券が配られ、無料で誰でも除夜の鐘を撞くことができる。「今年は出足が遅かった」と警備の方が言っていたが、11時35分ぐらいに行ったらまだ整理券があり、98番目だった。午前0時ごろから撞くという。
そもそもなんで「こんにゃくえんま」なのだろう。えんま様は地獄の大王で、ただでさえ怖いイメージがあるが、源覚寺のえんま様は右目が黄色く濁っている。説明板によれば、えんま王が信心深い老婆に己の右目を与え、老婆は感謝のしるしにこんにゃくを供え続けたという言い伝えから、眼病治癒のこんにゃくえんまとして信仰を集めたそうだ。
境内には「塩地蔵」もある。お地蔵さんの身体に塩を塗ると、同じ部位の病が治ると言われているらしい。だから全身、上から下まで塩で真っ白だ。
また、「小石川七福神」の1つである毘沙門天(びしゃもんてん)もまつられている。(小石川七福神についての記事はこちら)
伝通院でも
こんにゃくえんまから善光寺坂を上がって徒歩10分ほどの伝通院でも、除夜の鐘を撞ける。こちらは午後11時から受付を始め、2000円かかるが、ちょっとしたお土産が付いている。
あと15分で新年というころ、堂々とした山門をくぐると、境内はすでに多くの人が詰め掛けていた。
午後11時50分ごろ、裃姿の2人に先導され、住職が「入場」。鐘楼堂でお経を唱え「除夜法要」をしたあと、午前0時ごろ一番鍾を撞いた。
そのあとは番号札の順に、一般の人が撞いていった。本堂にも参拝客がぎっしりだ。伝通院については、また別の機会の寺社探訪で取り上げたい。
今年もよろしくお願いします
踵を返してこんにゃくえんまに戻ると、すでに鐘撞は始まっていた。番号順でなくてもよいとのことだったが、列の最後から2番目だった。しかしなぜ108回なのだろう。諸説あるようだが、108の煩悩をはらう意味があるらしい。
鐘を撞くのは初めてだ。ゴーン・・・よく響き渡る音。すっきりと打てた。これで心の乱れがはらえたのだろうか。
境内では無料で甘酒やお神酒、こんにゃくの田楽がふるまわれていた。寒い中、警備や甘酒などの準備を担っているのは町会の方々だった。
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