諏訪台を抜けて上野公園へ
サトウハチローが自宅のハゼノキにちいさい秋をみつけたように、一軒家や小さいアパートの桜を見つけようと歩いた。でも桜は毛虫がたかることで知られていて、こじんまりした庭に植えてあったら、ご近所から苦情が入ったりして、なかなか難しいのではないかと思いながら、西日暮里3丁目あたりを歩いていたら、なんと、フェンスの際に大きな桜がある家を発見。しかも、一輪咲いているようだ。
思わず近づいてシャッターを切ろうとしたら、中から家主らしき男性が出てきて、「咲いてるでしょ?ほんの今花が開いたところ」と話しかけてくれた。「人が殺到すると困るから、場所は特定しないでくださいね」
なんと幸先がよいことか。
天台宗総持院のしだれ桜は、春の日を目いっぱい浴びて満開。谷中6丁目にある。
谷中の金嶺寺ではこんな、現代学生百人1首が通りに面して貼ってあった。
ここは上野桜木会館の裏庭。さすがに町名は上野桜木のためか、桜が多い気がする。
住所は、台東区上野公園へと変わり、上野公園入口は、桜が満開…というより、葉桜っぽい部分もあった。
桜といえば、川沿いに名所が多い。近隣でも隅田川、神田川、目黒川など。藍染川は暗渠になっているが、江戸時代には徳川の墓所に山から木を運ぶために藍染川を通ったということから、桜はたくさん植えられていたと想像でき、今もその名残があるのだろう。
そして、水辺の桜にはいろいろな鳥がやってくる。不忍池は、今は、東京都の鳥、ゆりかもめが飛んでいた。函館五稜郭は鴎、河津桜にはメジロが集まっていたのを覚えている。
見事な桜に出会ってしまった。谷中3丁目、長明寺の枝垂れだ。(稲葉洋子)
小石川~春日
桜まつりが2年連続で中止になってしまった播磨坂。言わずと知れた桜の名所だが、桜だけでなく黄色いチョウセンレンギョウをはじめ白やピンク、赤など色彩鮮やか。
近所の小石川植物園も桜の名所。
東京で桜が開花した日に撮影したからまだ咲いていないけれど、善光寺坂の途中にある澤蔵司稲荷(慈眼院)の桜も石垣に映えてなかなかのものだ。境内にはパワースポットとかで話題になったらしい「お穴」がある。厳かな空気が流れていてちょっぴりこわい。
坂を上りきると伝通院だ。
枝垂桜はピンク色。
春日通りの富坂を下ると礫川公園に。隣接する東京都戦没者霊苑も桜が咲くと美しい。
ご近所を歩けばふと出会う花々。お散歩がてら楽しんでみては。(敬)