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銭湯山車が帰って来た!/区内を巡行、「水出し」イベントも藍染大通りで

昨夏に文京区や近隣区に現れた「銭湯山車」。2022年の今年も文京区内で「銭湯山車巡行」が開催された。10月16日(日)には銭湯山車を展示し、カランやシャワーヘッドから水を出し、銭湯を「体験」してもらうイベントを根津・藍染大通りで開いた。

銭湯山車は、文京建築会ユースのメンバーや建築家、彫刻家からなる「銭湯山車巡行部」が企画発案し、東京ビエンナーレの公募プロジェクトに採択され、製作された山車。第13回建築コンクール「さまよう建築」最優秀賞も受賞した。銭湯の空間を凝縮して再現する方針で、廃業した銭湯で実際に使われていたカランやロッカーなどを使い、新たに唐破風の屋根などを作って構成した。「今はなき銭湯を弔い、今を生きる銭湯を寿ぐ、銭湯のための祭りを。」がキャッチコピーだ。

「何か売ってるの?」自転車に乗った親子が止まって撮影していた

銭湯は地域の人を見守り、つなぐ場だ。しかし文京区内ではこの10年で半分以下になってしまった。文京建築会ユースでは銭湯の保全や活用提案などの活動をしており、廃業した銭湯のペンキ絵やタイル、建具なども保管。その活用法に頭を悩ませていたが、祭りの姿を借りて未来につなげることを考え、「山車」という形に行きついた。

文京建築会ユース代表で祭り好きの栗生はるかさんは「2021年は祭りの表、2022は裏、みたいな設定です」と言う。巡行は10月9日、白山浴場を出発し、廃業した富士見湯前などを通り、本駒込や谷根千地区を巡った。

16日は根津の藍染大通りで展示し、カランやシャワーヘッドから水を出す「銭湯体験」も開催した。昨年できなかった「悲願」のイベントだ。

また、「銭湯山車巡行公式記録集」(1500円)も発売中だ。これを見れば、銭湯山車誕生の経緯や、廃業した菊水湯の大黒柱がどこにどのように使われているかなど、山車の構造もわかる。実物を見ながら知識を深めることができそうだ。(敬)

2021年の銭湯山車巡行の記事はこちら


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