ビジネス交流って、意味があるのだろうか?――そんな問いから、「下町サミットin文京」は始まった。下町サミットは、経営者や個人など幅広い人たちの交流の場として2013年に荒川区で始まり、有志持ち回りで23区内での開催を続けている。20回目の今回は跡見学園女子大で、「企業×学生×地域がつながる街へ」のテーマで開かれた。
パネルディスカッションでは、「有名人が講演して、そのあと名刺交換するビジネス交流会って、正直意味あるのか?と思ってました」と、東京青年会議所の北永久さんが口火を切った。成功事例は、条件が同じでないと参考にならないし、仮想事例のワークショップでは本気になれない。単発のイベントから継続的な交流は生まれない――。ではどうしたら継続的な交流や、継続的なアクションが生まれるのか。それが議論のテーマだった。
今回の幹事でコワーキングスペース「我楽田工房&長屋」(文京区関口)を運営する「ボノ」代表の横山貴敏さんは「文京区ではそもそも、そういう場が始まってもいない。運営会議を重ねるなかで、この機会をみんながつながるきっかけにしようと考えた」と話す。下町サミットの発起人、遠藤智久さんは、「もともと、若手経営者による、明日の飯のタネをつくる会『あすめし会』というのがあった。勉強会や視察会を重ねているうちに他区とも交流を、と始まったのが下町サミット。最初から続けるつもりで始めたわけではない」という。跡見学園女子大学の土居洋平・地域交流センター長は「物理的につながること。ひらいて、つないで、結ぶことが大事では」と話した。
会場には100人以上の参加者が集まり、グループディスカッションでは、活動や会を継続するためのポイントについて意見を出し合った。発表では「リーダーは必要ない」という意見の一方、「核となる人は必要」という意見や、「目標は半歩先のものを」「テーマや理念をはっきり」「共通項があるといい」「役割分担と情報共有」「出入り自由なゆるさも必要」といった意見が出された。
そうして出された「文京宣言」は「文京区に、継続的な交流の場と、継続的なアクションの機会をつくろう!」。仮称「文京HUB会議」を立ち上げ、月1回程度、会を開いていくという。第1回はすでに7月23日(日)13時~15時までと設定され、我楽田工房で「地域資源からビジネスを考える」のテーマで開かれる。前半は勉強会「企業版ふるさと納税って知ってる?」、後半は運営会議。参加無料という。幹事の横山さんは、「著名人を呼ばなくても人が集まるんだと実感した。他区の人もまぜこぜでやっていきたい」と話していた。(敬)