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OSAGARI絵本のよりみちにっき/夏休みと「調べる学習」

夏休みも折り返し地点を過ぎたころ、我が家の小3息子は楽しみにしていたキャンプに出掛けていきました。大きなリュックに5日分の荷物を詰め込んで。

つかの間の静寂が訪れたリビングで、私は優雅にコーヒーでも飲みながらほっと一息と言いたいところだけれど、現実はそう甘くない。リビングの片隅には、息子が「続きはキャンプから帰ったらやるから!」と残していった、夏休みの課題の山が……。

息子の学校では、夏休みの課題の一つに「調べる学習」があります。「図書館を利用して自分で決めたテーマについて調べた作品を出品する」というものですが、これがなかなかたいへん。息子の場合、毎年夏休みに入る前から張り切ってテーマは決めているものの、そこからがまあ長い。そして待ち受けているのは、始業式前夜に大泣きという、定番のあれです。

今年こそはあの悪夢を回避すべく、早々と息子を図書館に連れ出したものの、手に取るのは課題とは関係のなさそうな本ばかり。まあ気持ちはわかるが、こちらにも時間というものがあるわけで……と検索端末で何かとっかかりになりそうな本はないかと探していたら、向かい合わせの端末からこんな声が聞こえてきました。

「ちょっと貸して。そんなやり方じゃ見つからないから。お母さんがやったほうが早い!」

お顔は見えないけれど、おそらく我が家と同じ目的で来館した模様。うー、わかる、わかるよその気持ち! 理想は子ども自ら取り組んでくれることだけど、なかなかそうはいかないよね、と。そもそも親のサポートがないとできない夏休みの課題ってどうなの? なんてこともモヤモヤ考えつつ、検索端末で見つけた1冊がこちら。

『本は こうして つくられる』

アリキ作・絵

松岡享子訳

日本エディタースクール出版部

タイトルからわかるように、本ができるまでの工程が描かれている絵本ですが、これが読んでみてびっくり。絵本作家であるネコのお母さんを通して、印刷工程のみならず、その前後にある企画や営業、販促などにかかわる作業や人々(猫々)がとても丁寧に描かれています。大人が読んでも読みごたえがあります。別の本を読んでいた息子にお勧めしてみると、パラパラめくってからしばらく読み込み、「これおもしろいね! あ、そうだ。調べる学習の本を探さないとね!」と。やっと気が付いたか。

あれから数週間。ここまでの進捗を見る限り、またあの悪夢の最終日へと着々と歩を進めているようです……。

夏休み早々に家族で海へ。このころは「今年こそは早めに課題を終わらせようね!」と意気込んでいたけれど……。

OSAGARI絵本・伊藤みずほ)


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