先日お気に入りの革のポシェットが修理から戻ってきました。修理してくれたのは、息子の幼稚園時代からのママ友。このポシェットの制作時から一貫してお世話になっています。
「シンプルで機能的、かつカジュアルにもきれい目にも使えるものを」というわがままなリクエストが全て叶えられたポシェットは自分の生活にしっくりと馴染み、気が付けばいつもこればっかり。迷子になりがちな老眼鏡や家の鍵、スマホの“お部屋”もあるので、出先でポシェットの中をゴソゴソひっくり返すこともなくなりました。
そんなお気に入りのポシェットですが、ヘビロテしすぎてついにファスナーが壊れてしまったので、お直しをお願いしたわけです。ついでにプチリフォームも。裏地のシャンタン生地は淡いピンクベージュからシックなネイビーに。ファスナーは私の怪力にも耐えうるよう、少しだけ太いものに。ついでにファスナーのフサを新しいものに付け替え、こすれてしまった角もきれいに補正してもらったら、とっても素敵に生まれ変わりました。
帰宅後、リメイク好きの息子に「すごいでしょ~」と見せたら、「裏地を変えるとこんなに雰囲気変わるんだね! М君のママは天才だ!」と尊敬のまなざし。我が家は実家の母も私も、物を修理したりリメイクしたりしながら使い込んでいくことが好きです。単純にもったいないというのもあるけれど、何より楽しいから。そして、自分でできないことは今回のようにプロに頼ることも。だからか、息子もそういうことをするのも見るのも大好きです。
子どもの成長とともに母子の距離は少しずつ離れていくようだけど、こうして「生活のなかで大切にしている」小さな喜びが通い合うとき、なんだかとても嬉しくなってしまいます。
というわけで、今回はこんな絵本を選んでみました。
『おじいさんならできる』
フィービ・ギルマン 作/絵
芦田 ルリ 訳
福音館書店
ヨゼフが誕生した際におじいさんがくれたのは、手縫いのブランケット。使い込んでボロボロになり、ママに「もうすてましょうね!」と捨てられそうになっても、「おじいちゃんならきっとなんとかしてくれる!」とヨゼフはおじいさんに相談します。するとなんと、ボロボロのブランケットは素敵なジャケットに生まれ変わります。その後も、ヨゼフの成長とともにジャケットはベストに、ベストはネクタイにと姿を変えていくのですが、最後に作ってもらったくるみボタンがなくなると、さすがのおじいさんもなす術はありません。ついにここまでか……と落胆してしまいますが、最後はなんとも心あたたまる展開に。おじいさんが大切にしてきたことは、小さなヨゼフにもしっかり受け継がれていたのでした。
ちなみにこちらの絵本、よーく見ると地上のお話と同時に地下でも小さなお話が同時進行しています。大人より子どものほうが先に見つけて嬉しくなってしまうかも? ぜひチェックしてみてください!
(OSAGARI絵本・伊藤みずほ)