子どもの自主性と想像力に任せて自由にのびのびと遊ぼう――全国に広がる「冒険遊び場(プレーパーク)」の取り組みが、文京区の六義公園で始まっている。水場でじゃぶじゃぶ、トンカチとんとん。毎月1回、区民らの有志が、子どもたちに、昔遊びや水遊びの場を提供。少しずつ、遊びの輪が広がってきた。
弓矢に、ベーゴマ、紙芝居。7月の祝日、六義公園の一角に「文京プレーパーク」が登場した。ペットボトルとブルーシートでつくった水場では子どもたちが水鉄砲で遊び、木工コーナーでは木片をのこぎりでごしごし切り、色塗りしたり、釘打ちしたり。80歳代の男性が、手作りした万華鏡などのおもちゃ類を披露し、昼過ぎには「子ども劇場」荒川・台東・文京事務局の女性たちによる紙芝居。子どもたちは思い思いの場所でのびのびと遊んでいた。
昨年12月から、近隣に住む吉澤育子さんら幼稚園のママ友3人で始めた。2年ほど前、大正大学特命教授で、世田谷区の羽根木プレーパークにかかわった天野秀昭さんの講演を聞いたことがきっかけだった。荒川冒険遊び場の会スタッフの清永博さんの協力を得て、手作りの竹製の弓矢セットや「落ち葉プール」から始めた。お茶の水女子大や東洋大の学生もボランティアでかかわってくれ、30~40人が遊びに来るようになった。
「公園は何でも禁止、禁止になってしまったが、ほんの少しの道具や工夫があれば、子どもたちは自由に遊び出す。まだできることが限られているが、たくさんの人にかかわってもらいたい」と吉澤さん。木片は近所の木工所が提供してくれるなど、少しずつ地域の協力も得られつつある。共に活動してくれる人を募集中だ。次は8月23日(土)、9月21日(土)10時から16時までを予定している。
清永さんの会は毎月第2日曜日に、荒川区の西日暮里公園で冒険遊び場を開いている。公園の占有許可を得て拠点の小屋もあり、台風の日でも訪れる子も。清永さんは「樹木の利用や火が使えると活動の幅が広がる。理解が広がればできることも多くなると思う」と話している。(敬)
(緑豊かな西日暮里公園。右が荒川冒険遊び場の会の拠点)