ご存じですか?8月1日は「打ち水の日」。打ち水とは、道路や家の周りに水をまき、地面の熱を奪って涼しさを得るもの。江戸時代から行われてきた伝統的風習だ。

7月の後半から8月の半ばごろまで、全国あちこちで「打ち水」イベントが行われ、「打ち水大作戦2025」なんていうサイトもある。9日から11日までの3日間、東京スカイツリータウン1階「ソラミ坂ひろば」で行われた、東京ソラマチの「打ち水」イベントに参加した。

16時開始、15分くらい前に着くと、すでにたくさんの親子連れが集まっていた。水桶やバケツ、ひしゃくが、法被を着たスタッフから手渡され、どうするのかと、子どもたちがわくわくしている様子が伺える。

9日は、地元墨田区の鳴門部屋から、鳴門親方(元大関琴欧州)と力士たち、MCに落語家桂竹紋、英語通訳にスウェーデン出身の落語家の三遊亭好青年、公式キャラクター、ソラカラちゃんも出演。「打ち水」の話で参加者を楽しませた。

開始の合図があり、水桶やバケツに水が注がれ、「打ち水」が始まる。
子どもも大人もにぎやかに声をあげ、打ち水を楽しんだ。「日が当たってないところにまいてね!」スタッフのアドバイスがあった。日なたにまくと、水がすぐに蒸発してしまうからだ。ちなみに、できれば朝や夕方がよいというのは同じ理由だ。

使う水は水道水をそのまま使うのではなく、雨水やお風呂の残り湯など二次利用水を使う。ソラマチでは、東京スカイツリータウンにある、雨水貯水槽に溜った水を活用している。「打ち水」によって下がる温度は、大勢でまくと地表温度は10度以上、体感温度は2度下がるといわれている。

「そろそろ、水が無くなります!」終わるころには、確かに流れる風は涼しかった。

噴水があるソラマチひろばでは、「ソラマチ水ひろば」が、6日~17日まで開かれていた。噴水と、いつひっくりかえるかわからない「びっくりバケツ」、水の花火が打ちあがる「打ち上げ水花火」などの遊具があり、子どもたちはびしょびしょになって遊び、涼しさを存分に味わったようだった。

打ち水大作戦では家庭や店舗での打ち水を推奨しており、文京区ではひしゃくやぞうさんじょうろ、のぼり旗などの「打ち水セット」の貸し出しも9月30日までしている。

また、熱中症予防対策として、区は「ぶんきょう涼み処」の設置を10月17日までしており、アカデミーなど公共施設のほか、薬局や地域の居場所なども参加している。「涼みに来ました」と伝えて、クールダウンして休むのもいい。(稲葉洋子)

