大正時代に建てられた築100年以上の「目白台の家」(過去記事参照)の第二回「おうちひらき」が11月1日~3日にあり、ガイドツアーのほか、「古建築活用サミット」も開かれた。昨年も同時期に開かれ、その後少しずつイベントなども開かれてきた。調査研究もコツコツ積み上げてきており、その結果として、今年2025年8月に国の登録有形文化財に登録された。

目白台の家は大正4年に建てられたといわれる住宅で、6回の増改築を経て今日に至る。オーナーが活用を模索していたところ、複数の人を介して東京都立大学都市環境学部助教の高道昌志さんや法政大学建築学科の学生らとつながりができ、2022年に目白台の家再生プロジェクトが始動。建物の実測や図面の収集、オーナーへのヒアリングをしてきて、2024年からはおうちひらきイベントや庭のユズを収穫するゆずがりワークショップ、フリマなどを開催して、少しずつ外へ開く活動にも取り組んでいる。

調査研究活動の対象は目白台地域一帯に及び、江戸時代の武家屋敷から、明治期に一時は桑茶畑となり、その後は官僚や学者ら中流階級の住宅地と変わっていった歴史をひもといた。その中で「目白台の家」は、家族構成や生活スタイルの変化に合わせて増改築を繰り返し、当時の社会や生活の潮流が刻まれている貴重な建物であることがわかってきた。その結実として、国の登録有形文化財に認められたわけだ。

11月2日に開かれた古建築活用サミットでは、中野区の古民家をシェアハウスやシェアスペースとして活用している「中野秘密基地」の山本真梨子さん、高円寺の「コクテイル書房」「本の長屋」などにかかわっているトシシ代表の藤原玄明さん、目白台の家再生PJ共同代表で法政大学大学院生の渡邊勢士さんが登壇した。

中野秘密基地は多文化共生をコンセプトに誰でも集まれる場。古民家をDIYやワークショップで改装した。子ども食堂や、ご近所のおばあちゃんの会、シェア居間、けいこさんのカフェなど定例イベントのほか、スペース貸しもしている。今年3月には、外国人が経営するお店のガイドブック「中野区エスニックマップ」を発行。「情報発信が大事です」という。

藤原さんは建築家で、トシシとは「都市史」のことだそうだ。高円寺の築100年の長屋にあった元美容室を改装して「本の長屋」にしたり、国立から移転してきた本と食べ物の融合をめざす「コクテイル書房」を手伝ったり。「オーナーがいて、役割があり、人がいる。建物は古くても新しい関係を紡いでいく。長屋にかかわる『関係人口』は100人ぐらいいるのでは」という。

これらの話を受けて目白台の家再生PJの渡邊さんは「目白台周辺の古民家も調査してきた。ただ残すだけではなく活用するためのプロジェクト。広がりはまだまだだが、つながりを少しずつ作り始めたところ」だと話した。

目白台の家では6月に初めてフリーマーケットを開催。「思ひ出フリマ」と名付け、売れた商品にその品との思い出を記入したカードを渡すという趣向。第2回が12月13日、14日にも開かれる予定だ。10月にはフランスのコラージュアーティストの個展も開いた。12月5日には「静寂の一滴~抹茶と瞑想のひととき」というイベントも予定している。

予約、問い合わせはインスタグラムのDMから。(敬)

