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非常食を食べて災害時をイメージ/宮下公園で親子が防災ピクニック

乾燥米に水を入れる

「開けてみないと味はわからないね」「ラップがあると便利」――阪神・淡路大震災から20年の1月17日、非常食を持ち寄って食べる「防災ピクニック」が、文京区千石の宮下公園で開かれ、小さい子どもがいる家族など約30人が参加した。「ご近所さんとつながろう」を合言葉に千石地域で活動する子育てグループ「ツチノコ広場」と、子育てサークル「ワラビー」、丸山町会の共催。公園の部分占有許可を得て、消防署に火気使用を届け出、カセットコンロを持ち込んでの煮炊きも体験した。

ピクニック全景

「これ、フツーにおいしい」。持ってきた缶入りのパンや、マフィンなどをほおばり、「みんなでワイワイ食べるからいいね」。参加者が口々に言い合った。それぞれが自助の精神で、普段防災リュックに入れている食べ物や、期限切れ直前の防災食などを持参した。「はぐれることも想定し、一人ずつリュックを用意しているが、子どもが背負えるかどうか試す機会にもなった」と参加者の一人。町会からは、賞味期限が迫った乾燥米や乾燥スープの差し入れがあった。乾燥米は水を入れて1時間しないと食べられないが、「唾液で柔らかくならないかな」「お湯で30分だとどうだろう」と試す人も。「パリパリで酒のつまみにはいいかも・・・」

リュックの中身

普段使っている保温調理鍋でつくったご飯や豚汁を持参した人もいた。「普段やっていないことは、災害時にもできない。災害時に使うものは普段から使っておく方がいい」との指摘も。また、家が壊れていなければ自宅で過ごすことを考えると、「缶詰めなど保存食ではなく、まずは冷蔵庫のものから食べるべき。食品を冷凍しておくのもいい」。ラップは、皿などにしいて汚れたら取り替えればよく、洗う必要がないため、重宝する。重曹や酢も、油汚れを落とすのに活躍していた。

保温鍋

ツチノコ広場代表の倉持歩さんは、「防災ピクニックが子どもを守る」という本を読んだことがきっかけで、防災ピクニックを企画した。「大人数だと、係とか役割分担をすぐ決める必要があるとわかった。たくさんの気づきを生かせるよう、今後も季節を変えて開催し、さまざまな問題にトライしたいと思います」と話す。丸山町会長の小野寺加代子さんは「こういうのは若い人がいないとできない。事前に準備をしていても、実際に動けるかどうかが大事。やってみないとわからないことは多いですね」と話していた。(敬)

乾燥米など

 


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