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クラフトビールめぐり⑨ガハハと笑う店主がいる団地の中のガハハビール/押上に2号店「ガハハウス」も開店

「シャルウィートダンスを『大』で」「はい」「今日はツッチーいないんですか?」「樽詰め作業中で」。常連さんとの小気味よい会話。

ガハハと豪快に笑う店主、馬場哲生さんがいるガハハビールは、団地の中のクラフトビール居酒屋だ。地下鉄東陽町駅から徒歩5分ほど、14階建ての住戸が何棟もそびえる高層団地の1階にある。

「『馬場のブロンド』と『ダンチエール』ってビールから始めましたよ」と馬場さん。ガハハと笑うからガハハビールと、友人が命名したが、最初は恥ずかしかったという。今では「わかりやすいしいいかなと」。

もともとは映画監督をめざしていたそうだが、「厳しい世界で」。飲食業に転じ、居酒屋で調理をやっていたところ、高円寺にできたクラフトビール工房が人材募集していたことから、飛び込んだ。「ビールをつくれる、というのがおもしろいと思って」。いずれ店を持ちたいと思っていたが、居酒屋だけでは厳しいとわかっていたので、プラスアルファの要素としてもクラフトビールは良いと考えた。

出身が東陽町なので、地元で物件を探していてめぐり合ったのが南砂団地の1階だった。「門仲がよかったけど高いし。金ないし」。2017年6月に開店した。最初は店内で醸造する形で、醸造士と母と3人で始めた。「団地の中にあるビール醸造所兼居酒屋(ブリュー居酒屋)」とうたう通り、料理は和食系で鮮魚メニューも豊富。大分の郷土料理、刺身をたれに漬けた「りゅうきゅう」などもメニューの定番だ。「和食系居酒屋の出身だし、自分が食べたいものを出してます」

いまは団地内の別の店舗を醸造所とし、3人の醸造士がいる。「軽くてガブガブ飲めて、飲み飽きないビールをめざしてます」。確かに、アルコール度数が低めのラインナップだ。

3種飲み比べセットでいろいろ飲んでみた。「ダンチエール」と「馬場のブロンド」ははずせない。確かに、軽い飲み口ながらコクもあって飲みやすい。フラッグシップレギュラービールだという「マーシーIPA」は香りがよくて好みのタイプだ。「シャルウィートダンス」は映画の題名に似せたのかな、香り高く、度数は低いのでいくらでも飲めそう。「空旅IPA」のような度数も苦味もがっつり系が好みなのだけど、どのビールもおいしくてたくさん飲んでしまいそうだ。飲み干してふとコップを見ると、底に「さあ、もう一杯!」書いてあるではないか。

「ビールは笑って飲むもの」というキャッチフレーズを掲げている。酔いが回ってくれば、馬場さんのガハハにつられて笑う。平日の午後なのに常連さんも、女性1人客も、常連でない2人連れも、次々来店。カジュアルでオープンな空気が流れる。ガハハと笑いながらガブガブ。これは幸せ。

墨田区の野外映画上映会にビールを出したことがきっかけで、東京スカイツリーの真ん前で、まちづくりをするグループから誘いを受け、2号店を出店することになった。4月にオープンした「ガハハウス」。スカイツリーを見上げながらビールが飲める。

実はここ、4月のブルーウオーキング(過去記事参照)の終着点の近くだったので、7キロ歩いたあとに立ち寄ったのだった。2階のテラスから眺めるスカイツリーは圧巻。隣のひろばではマルシェが開かれ、ガハハウスが入る建物の1階も、隣の建物も、おもしろそうな「におい」がする。こちらの話は別の機会に。(敬)

ガハハビール(江東区南砂2-3-1-118)営業時間:火~金13:00-22:00、土日11:00-22:00 定休日:月(詳細はInstagram参照)

ガハハウス(墨田区業平1-10-6ことまちベース西棟2F)営業時間:13:00-23:00 定休日:月火(詳細はInstagram参照)

 


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